2009年4月18日(土)
この展覧会に行ったのは、4月12日のことです。
 公式サイトは、ここをクリック
今回は、私が注目した文物を御紹介します。
まずは、上のチラシにも上半身が掲載されている「弥勒菩薩立像」です。
 [国家一級文物]弥勒菩薩立像(みろくぼさつりゅうぞう) 東北インド・パーラ時代・11〜12世紀・総高160.0cm・ポタラ宮
少し左足に体重をかけて立つこの仏像は、風に舞う条帛(じょうはく)とともに優美な体の動き(三曲法・さんきょくほう)を見せる。化仏(けぶつ)のついた宝冠をかぶり、右手を胸前に、腰前の左手で水瓶付の蓮茎を握っている。下半身を覆うドーティには銀と銅による繊細な象嵌(ぞうがん)模様が施されるとともに、トルコ石や貴石をはめ込んでいるところから、チベット人パトロンかチベット寺院からの注文で作られた可能性が指摘されている。 本像はチベットに伝えられたパーラ時代のインド彫刻の中でも最も美しいものの一つである。通常はポタラ宮で、錦の衣をまとった状態で安置されているため、仏像としての美しさを鑑賞するまたとない機会である。 (九州国立博物館の解説) 【錦の衣をまとって安置されている状態】 
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この女神(名前は覚えていませんし、公式サイトにも解説はありませんが)は、願いをかなえてくれる優しい女神なのだそうですが、ひとたび御機嫌を損ねると大変なことになるそうです。
 公式サイトに画像はありませんでしたが、この女神の後姿が極めて妖艶だったのです。 腰の曲げ具合とかくびれ具合とか脚の開き具合とか、なんとも言えない魅惑的な後姿・・・
表情の拡大したところは、下の画像を見て頂ければ解りますが、御機嫌を損ねたところのようです。 首飾りや頭飾りは髑髏(ドクロ)ですし左手に掲げているのは玉子?子宮と胎児?
 実は、最初は意味不明だった、左手に掲げている この玉子の半割りのようなものは、その後の様々な展示や解説を見てゆく中で、白い“玉子”は頭蓋骨で、中の朱色の物体は脳みそだということが解りました。
なお、ドクロの首飾りや頭飾りは、この女神だけではなく、あらゆる仏像に使われています。 日本の仏像ではあまり見ることができないものです。
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こちらは、上の恐ろしい女神とは別の女神です。
 私が惹き付けられたのは、その三つの顔の表情もさることながら、 光背を兼ねている千手のレリーフ。 この女神像の全体の高さがせいぜい50cmほどなので、この千手の造作の細密さが解って頂けるものと思います。 その上、裏から見ると、この千手は金物の打ち出しで浮き上がらされていることが解ります。 彫り込みでは無く、打ち出しで造作されているところに、当時の仏師(職人)の腕の凄さが解ります。
 しかし、正面の表情は厳しく、牙をむいています。 一方左右の顔は、魅力的で不敵な笑みです。
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(使用している画像と解説は、九州国立博物館ご提供のものチラシのスキャン)
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