2009年3月23日(月)
先週の春分の日の3月20日(金) 映画 【ワルキューレ】 を見た。

【Walküre:ワルキューレ】 と言えば、知る人ぞ知る ワグナーの四夜連続 楽劇「ニーベルングの指輪」 の第一夜として書いたオペラの名前である。 そして、人物ワルキューレは女神(複数)の名前である。
この映画、数々のヒットラー暗殺計画の最後の計画:「作戦 ワルキューレ」を実話を元に描いているのだと言う。 決行は1944年7月20日。 日本が連合軍に降伏する1年以上も前のことだ。

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映画はドイツ語でのセリフ、英語と日本語の字幕で始まり、これが第二次世界大戦終盤のドイツ第三帝国で起こった事件であることを印象付ける。 映画の中で写される司令部の通達や手紙などもドイツ語で書かれている。 冒頭のタイトルも、最初にドイツ語で 「Walküre」 と表示され、 少しづつ英語の綴り 「Valkyrie」 と変わって行くという懲りよう。
しかし、上映開始後10分を経ずしてセリフは英語に代わって行く。 その切り替えは結構巧妙だ。 監督は、気付かない内に代わっている雰囲気作りを目指したのであろう。 **********************************
作戦を前線で指揮するのは、トム・クルーズ扮するシュタウフェンベルク大佐。 アフリカ戦線で瀕死の重傷を負いながらもかろうじて生きながらえてきた苦闘の経験から、「これ以上将来ある若者を無駄死にさせてはならない」との強い意志から、ヒットラーを排除して民主的な政権を樹立し、連合国と和平交渉に赴く他ドイツが生き残る方法はないと決意。
かねてから、ヒットラーとは一線を画してきた将軍を一人ひとり味方に引き入れてゆくのである。

決行前には、その中核部分は数十人の同志たちが結集する組織となっていた。 彼らの中には部隊を丸ごと掌握しているドイツ軍幹部も少なからず居る。
シュタウフェンベルク大佐が、いよいよ暗殺計画の実行を宣言すると、その数十人が誓いの証である「党員証」のような名刺サイズの『誓詞』を持って手を挙げる。
さて、その首尾は如何に?
まだ、始まったばかりなので、ここから先はネタバレにもなり書かない。
しかし、歴史は、1944年7月20日にヒットラーは暗殺されていないことを証明している。
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********************************** 私の疑問
☆ これほど機密度が高い暗殺作戦に、数十人が一堂に会して決意表明するだろうか? 公式サイト の【Enter the Site】で予告編映像が始まり、一瞬この場面が映る。 ☆ 普通は、極少数の幹部数名が血盟し、そこから縦線の繋がりで動かすはず。 ☆ 従って、同志が数十人居ても横の繋がりはなく、解らないはずである。 ☆ と言うのは、もしその中の誰かが上げられても被害は数人に留まるから。 ☆ その上、クーデター派を示す「党員証」のような『誓詞』を持つはずが無い。 上のような この映画での表現が実際のものであったなら、その時点で決起は失敗する可能性を秘めていたと思う。 数十人も一堂に集まれば、一人のスパイが潜入していただけで、全員の面が割れるし、当時のSSの能力であれば、スパイの潜入は簡単だったと思われる。 取り分け、映画の将軍たちの警戒感は「そんなことして大丈夫か?」というほどの無防備。 大体主役のシュタウフェンベルク大佐が同志の状況を把握するために、ヒットラーの作戦本部のある建物に備え付けの電話で、同志と連絡を取っている。これじゃ「暗殺作戦」は筒抜けだ! 映画の冒頭では、将軍たちが如何に下手な手を打っているかも暗に表現されている。 **********************************

映画 「ワルキューレ」 公式サイトは、ここをクリック
 ワルキューレ - goo 映画
解説とスタッフ&キャストは、ここをクリック
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ワルキューレ goo映画解説から 第二次世界大戦下のドイツ。アフリカ戦線で左目を負傷したシュタウフェンベルク大佐は、“良心”と“忠誠心”の葛藤に悩んだ末、祖国の平和のためにヒトラー暗殺を考えるようになる。 やがて画期的な暗殺計画≪ワルキューレ作戦≫を立案し、トレスコウ少将やオルブリヒト将軍ら、同志と着々と準備を進めていく―。 そして、決行の1944年7月20日を迎えた。ヒトラーとその護衛たちを前に、大佐たちは計画を成功させられるのか…。
第二次世界大戦時に実際にあったヒトラー暗殺計画を題材に、トム・クルーズがその計画の中心的人物であったシュタウフェンベルク大佐を演じたサスペンス。 ヒトラーの独裁政権に屈する者と世界を変えようとする者、そして両者の裏で陰謀をたくらむ者が、戦争の混乱の中で繰り広げる駆け引きを描く。 アイパッチを付け、ナチスの軍服に身を包んだトムが気迫たっぷりに演じる「命がけの愛国者」ぶりに注目したい。 監督は『ユージュアル・サスペクツ』で注目され、『スーパーマン リターンズ』など今やヒット・メーカーとなったブライアン・シンガー。ケネス・ブラナーやテレンス・スタンプなどの演技派キャストが脇を固め、最後まで緊張の糸が途切れないドラマを展開させている。
【スタッフ】 監督:ブライアン・シンガー 脚本:クリストファー・マッカリー,ネイサン・アレクサンダー
【キャスト】 トム・クルーズ ケネス・ブラナー ビル・ナイ トム・ウィルキンソン カリス・ファン・ハウテン
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