劇団四季が大人気のミュージカル【WiCKED】を東京・四季劇場[秋]で
10月19日(木)初日、2024年1月27日(土)千秋楽の予定で公演とのこと。
6月11日に「四季の会」会員先行予約を始めたら即刻全席完売した!
『ウィキッド』東京公演
チケット完売のお知らせ
https://www.shiki.jp/navi/info/renewinfo/035122.html
インフォメーション|劇団四季 - 2023年6月12日
ミュージカル『ウィキッド』東京公演は、「四季の会」会員先行予約にて、全公演の劇団四季取り扱い分の前売りチケットが完売となりました。
つきましては、6月18日(日)午前10時より予定しておりました一般発売はございません。あらかじめご了承ください。
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話変わって、と云うか ここからが今日のタイトルの本筋です(笑)
北海道新聞の6月10日付けで劇団四季・吉田智誉樹社長への
ロング・インタビューが掲載されていました。
題して
【劇団四季70周年 吉田智誉樹社長が語る
コロナ禍の苦労と札幌公演の今後】
引用して御紹介します。
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劇団四季70周年
吉田智誉樹社長が語る
コロナ禍の苦労と札幌公演の今後
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/859024
北海道新聞:文化部 中村公美 - 2023年6月10日 14:00
(全文引用)
日本を代表する劇団の一つ、劇団四季が7月14日で創立70周年を迎えます。かつては札幌に同劇団の専用劇場を持ち、現在も札幌市中央区の東1丁目劇場施設(旧北海道四季劇場)で「リトルマーメイド」をロングラン上演中と、道内でも活動し、多くのファンを獲得しています。同劇団の運営会社「四季」の吉田智誉樹社長に、コロナ禍を乗り越えて節目を迎えることへの思いや、今後の展望を聞きました。(文化部 中村公美)

■節目ではなく通過点
――まもなく劇団創設70周年の節目を迎えます。
「『キャッツ』が日本初演された1983年ごろまでは、運営は大変だったと聞いています。現在の規模に成長させてもらえたのは、浅利慶太前会長ら創立メンバーの存在があったからこそ。そして70年にわたり、活動が続いてきたのは所属している人たちの団結する力が大きい。劇団四季という組織そのものが浅利慶太の最大の遺産だと思っています。だからこの劇団を維持し、公演活動を続けていくことが重要です。70周年は節目ではなく通過点と考ています」
――「キャッツ」のほか、「オペラ座の怪人」「ライオンキング」など多くの人に愛される作品を次々と世に送り出してきました。
「四季では浅利慶太の『人生は生きるに値する』というメッセージが伝わる作品を選んで届けています。だからこそ、見終わった後に、明日も頑張って生きていこうと思えることが魅力なのだと思います。そして所属俳優は『舞台の仕事だけで食っていける』ことが劇団四季の特長。給与やギャラで生計を立てられるので、副業をすることなく、自分の人生の時間のすべてを舞台上の技術の修練に充てられる。その代わり、舞台の能力が低かったら使わない。そうした姿勢が作品の質を高めている面もあるのではないでしょうか」
■コロナ禍でも「俳優の生活守る」
――順調に演劇ファンを増やしてきましたが、2020年からの新型コロナウイルスによる影響は深刻だったそうですね。
「コロナ禍の影響を受ける前の2019年度は売り上げが242億円、公演回数は3181回でした。しかしコロナの感染拡大の影響で20年度は売り上げ、公演回数とも3分の1に落ち込みました。21年度はやや盛り返しましたが、売り上げ、公演回数とも6割程度。22年度後半からは、公演回数が9割、売り上げで7割超と19年度の水準に近くなっています。やはり生で舞台を見たいというお客さまの思いが膨らんできたということではないでしょうか」
――俳優、技術、経営スタッフ1400人の大きな組織ですが、コロナ禍でも雇用の維持にこだわったと聞きます。
「特に20年度は売り上げ、公演回数とも激減し、経営的には大変な状況でしたが、『じっと我慢して耐える』作戦でいきました。会社の保有資産を有効に使い、人事に柔軟性を持たせることで組織を生き延びさせ、元に戻る時期まで待とうと…。中でも俳優の生活を守ることには心を砕きました。彼らはその生涯のほとんどをかけて技術を獲得してきた人たち。コロナ禍で公演できないから『独自に生きてください』となったら、コロナ禍が収束して再び公演をしようとしても集まっては来ません。そして俳優は訓練をしなければ能力は落ちていく。だから彼らの技術を守るためにも全部の公演が止まっていた期間も、出演したとみなして、生活できるようギャラを支払いました。公演が再開された20年7月以降は、どんなにお客さんが入らなくても公演は続けました。千人の観客が入る劇場で、観客は90人前後ということもあったほどで、そういう状況でパフォーマンスをするのは、俳優も本当はつらかったのではと思います。でも、そうして仕事をしてもらわないと明日につながっていかないから、そんな状況でも頑張っていくことを理解してもらったのです」

――コロナ禍の中で2020年から作品の動画配信も始めました。反応はいかがでしょう。
「経営的には興行収入に比べたら小さい比率ではありますが、確実に一助になっています。また、東京での初演を日本中で“観劇”できるようになり、地方のファンも新作を体験しやすくなりました。小さなお子さんや介護が必要なご家族がいて、なかなか劇場に行くことができない環境にある人たちも、生活のスタイルに合わせてご覧いただける。配信は家族全員や友人を誘って見ることもできるので、金額的にも負担が軽く、あまり観劇経験がない人の入り口にもなっているようです」
――大変な状況を乗り越えた今の思いは。
「21年度の後半からお客さまが戻り始め、なんとかなるかもしれないという希望を感じました。そして今、満席になった会場で喝采を受けていると、耐えて良かったとしみじみ思います。俳優と観客が同じ空間にいて、同じ空気を吸いながら同じ時間を過ごすという同時性は舞台作品ならでは。そしてロングラン公演であっても、昨日と今日の舞台は異なる。お客さまが目にする公演というのは唯一無二のものなんです。私はこの2点が舞台作品の魅力の原点だと思います。配信にも良い面がありますが、本流にはなり得ない。結局のところ、元々やってきたコロナ前のスタイルでしか、われわれは生き残れないのだと思いますね」
――全国を回り、子どもたちを招待する企画「こころの劇場」もやっと対面で再開しました。
「コロナ禍の影響で2020年度は中止。21~22年度は動画配信で児童に作品を届けましたが、『生の舞台を見たかった』という感想が多数寄せられました。北海道では今年の8月下旬から9月上旬にかけて、『人間になりたがった猫』『ジョン万次郎の夢』を上演します。これらの作品を通じて命の大切さや人を信じる心など、生きていく上で大切なことを語りかけたいですね。やはり生の舞台には、心を動かす特別な力があるんです。この活動が続けてこられたのは支援いただいている企業や団体のおかげ。たくさんの子どもたちが待ってくれている中、対面での公演を再開できて本当に良かった」

■男性客も取り込んで
――70周年のその先を見据えた展開を聞かせてください。
「日本は少子高齢化が進み、人口減少で国内だけを見据えていたらマーケットが狭くなることは避けられません。オリジナル作品づくりに力を入れ、ひとつの作品からさまざまな収益を上げることが必要だと考えています。公演の配信もオリジナル作品でないと難しいですし、今後は海外へ作品を提供することも視野にあります。男性客を増やすことも課題です。現在、劇団四季の観客は平均すると女性が7割を占めています。しかし、変化の兆しもある。藤田和日郎さん(旭川出身)の人気マンガを原作とする『ゴースト&レディ』を来年5月から東京で上演することを発表したら、男性から想像を超える反響がありました。本作はミュージカル『ノートルダムの鐘』(劇団四季では2016年初演)を手掛けたスコット・シュワルツ氏が演出することも話題で、私にとっても楽しみな作品です。本作が男性が劇場に足を運ぶきっかけになれば。ニューヨークやロンドンの劇場でも観劇をしてきましたが、いずれも男女比は半々。日本でも男女問わず舞台芸術を楽しむ文化が根付けばと願っています。そしてミュージカルというのは非常に大きな投資です。魅力ある原作を活用することがリスク回避の面でも重要だと考えています」
――今年3月に日本が米国を破り3度目の優勝を果たしたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)にヒントを感じたそうですね。
「今回のWBCでは、今までファン層に男性が多かった野球というコンテンツの魅力に、女性が気づいたことが印象的でした。野球には関心がなかったはずの私の妻もテレビ観戦を続け、米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平選手が登場すると真剣に見ていました。WBCを機に、野球を取り巻く市場は大きくなっていると感じました。この逆のアプローチがミュージカルにおいてできないか。今まで観客として獲得できていなかった層に劇場に来ていただけるよう、挑戦しなくてはと思ったのです」
■北海道の熱い応援 胸いっぱいに
――札幌では「リトルマーメイド」が5月から東1丁目劇場施設(旧北海道四季劇場)で特別アンコール公演中です。
「旧北海道四季劇場は2020年3月15日の『リトルマーメイド』千秋楽で閉館の予定でした。しかしコロナ禍の影響を受け、途中の同年2月26日で中止にせざるをえなかった。北海道の人たちに申し訳ないという思いが強く、閉館した劇場での再演は異例なのですが、今回のアンコール上演が実現しました。私は1993年から、JRシアターでの『オペラ座の怪人』上演に合わせ、広報担当として札幌で勤務していました。そのときの拍手の大きさや反応から、熱い気持ちで応援してくれていることがひしひしと伝わってきました。こんなにも北海道の人は四季の作品を愛してくれているんだと、胸がいっぱいになった。北海道は私にとっても、創設者の浅利慶太にとっても特別な場所。またロングラン公演ができたことは本当にうれしい。『リトルマーメイド』は人魚たちが泳ぐ様子をフライング(宙づり)の技法で再現したり、色鮮やかな魚のパペット(人形)が次々と登場し、迫力ある場面が続きます。物語の素晴らしさ、演劇表現の質の高さなど、性別や年齢を問わずに楽しめる作品なので多くの方に足を運んでもらえたらと思っています」

――今後、北海道で専用劇場が開設される可能性はありますか。
「劇団はコロナ禍で大きな影響を受けました。こうした状況を考えると、自社で劇場を新たに建てるという選択肢はとりにくい。ただ、地方の方にもロングラン公演ならではの、規模の大きい舞台装置を使った作品を届けたいという気持ちは強く持っています。そこで考えられるのが2000年から始まり、仙台、静岡、広島で行われている新都市公演の仕組みです。地域の理解と協力のもと、公共の劇場を長期間借り、最長で半年程度のロングラン公演を定期的に行うやり方です。北海道では長い間、ロングラン公演を行ってきたことからミュージカルを愛するお客さまが増えたという実感を持っていますし、そうした方たちが劇団四季の活動を支えてくれているという感謝の気持ちは強い。新都市公演のような形が実現できれば、劇団にはソフト(作品)を提供する用意はあります。再び特別な舞台装置などを必要とする規模の作品をロングラン公演できたらと考えています」
劇団四季と北海道 1953年に当時慶応大の学生だった浅利慶太(演出家、1933~2018年)が中心となって創立。現在は俳優、技術スタッフ、経営スタッフら約1400人を抱える世界的にも最大規模の演劇集団。東京など国内に七つの専用劇場を持ち、ストレートプレイ(芝居)、オリジナルミュージカル、海外ミュージカル、ファミリーミュージカルなど幅広い作品を上演する。例年の総公演回数は3千回以上、総観客数は300万人超。道内では1991年5月から1年近く、初のロングラン公演「キャッツ」をJR札幌駅旧構内の特設会場「キャッツシアター」で行う。93年9月からは、当時の札幌駅構内の「JRシアター」で、99年9月の閉館まで「オペラ座の怪人」をはじめ19作品を上演。2011年1月には全国10番目の四季専用劇場として「北海道四季劇場」を札幌市中央区大通東1に開場。開場以来2020年3月15日の閉館まで「ライオンキング」など10作品を上演し、延べ181万人が来場した。最後の作品「リトルマーメイド」はコロナ禍で千秋楽を迎える前の2月26日で公演を終えたため、今年5月28日から11月26日まで「特別アンコール公演」を行っている。

「リトルマーメイド」の札幌公演(北海道新聞社共催) チケットは11月5日分まで販売中。S席1万2千円、A席9500円、B席7500円、C席4500円。この他にピーク料金、バリュー料金、子ども料金などがある。SHIKI ON-LINE TICKET、道新プレイガイドなどで扱っている。問い合わせは劇団四季ナビダイヤル、電話0570・008・110(午前10時~午後5時、祝日以外の月曜休み)へ。