2008年9月6日午後6時から、アクロス福岡で つかこうへい作・演出の舞台 『幕末純情伝』 を見た。
『幕末純情伝』は、新撰組の沖田総司が実は女だったという設定で展開される、演劇と言うよりは、『バラエティ・パフォーマンス』 というところ。
時代は、幕末も現代も明治も同時進行と言う時空を超越したドラマ。
石原さとみが沖田総司を、元・宝塚の真琴つばさが坂本龍馬を演じています。
*************************** このドラマの突飛な発想は、 坂本龍馬が「憲法9条」を発案 し、これをどうしても日本国の規範として、守らないといけないと頑張っているという話で構成しているところ。 『バラエティ・パフォーマンス』 のような中に、「憲法9条」という言葉が何十回出てきた ことであろうか?
それだけでも時空を超えた話だが、新撰組の隊士が語る体験談として(新撰組が第二次世界大戦前後の話を語るのだが)、沖縄戦で日本国を守るためとの口実で親子が殺しあったとか、戦後進駐軍(駐留米軍)兵士が婦女子を夫や子どもの前で暴行するリアルな話 とか、もっと下って 教科書の中に沖縄の記述を削除させようと言う企て だとかが語られるのである。 それらの話の中にも憲法9条は出てきて、「戦争に負けた悲惨さを考えれば憲法9条は無力だ」という反対派の考えも語られる。
さらには、教育基本法第4条 が、そのまま台詞として語られる。 【すべて国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない。 】(旧・第3条)
幕末に日本に来たアメリカの公使(ペリーという名ではなかった;もちろん日本人俳優だが、台詞は英語であった)が、ベトナム戦争の敗北やイラクでの混迷を語った。
このように、ドラマ全体が時空を超えた破天荒なものであり、歌あり、踊りあり、旅回りの座長公演的パフォーマンスあり、今はやりのヒップホップダンスあり、のとんでもないステージではあったが、訴えたいところが数多くあった。 ごちゃごちゃだったが、少なくとも沖縄戦・憲法・教育基本法・ベトナム・イラク,そして 「憲法9条」 が一つの繋がりのある問題であることが明確に伝わっていた。
****************************
スポーツ紙の紹介では、もっぱら石原さとみのエクスタシーの表情ばかりに注目しているが、それは一つのバラエティ的側面に過ぎない。
************************************ ランキングの応援をよろしく ⇒  ************************************
話変わって、元・宝塚の真琴つばさ が、宝塚在団時と変わらぬスリムさと若さと美しさを維持していて、「さすがプロ!」 と驚嘆した。 集団ダンス・シーンでも当然ひと際目立っていた。 一つ前の記事 にも書いたが、元・宝塚の皆さんの実力は凄い!
当日券でも見られるだろうと少し早めに行ったが甘かった。 完売だ!とのこと。 残念がって窓口を後にしていた時30歳前後の上品な女性が、友達が急に来られなくなったので、良かったらお譲りできますが・・・ということなので、嬉しくそのチケットをプレミア無しで譲って頂き、観ることができた次第。 感謝 !!! (6列目の中央ブロックで¥6,800)
********************* 以下の画像は、マイコミ ジャーナル より引用してます。
 左から、吉沢悠(高杉晋作)、石原さとみ(沖田総司)、真琴つばさ(坂本龍馬)
 (石原さとみが最初に登場する芸者姿)
 (唐突に時空が飛んで踊る石原さとみ)

【マイコミジャーナル】 記事引用
石原さとみが12日、都内で行われたつかこうへい作・演出の舞台『幕末純情伝』の公開稽古に参加した。 「集中力と柔軟性と記憶力が大事だと感じました。この舞台が終わる頃には、(物事に)柔軟に対応できるようになっていそうです」(石原) 『幕末純情伝』は、新撰組の沖田総司が実は女だったという設定で展開される幕末の物語。1989年の初演以来、再演を重ねてきたが、つか自身が演出を手がけるのは18年ぶりとなる。
今回、沖田役を務める石原は「稽古は、ものすっごく楽しかったです。毎日、わたし一生懸命生きているなって充実していました。でも明日から本番だと思うと緊張、緊張で……」と話し、「基本的に本番が始まるまではネガティブなんですよ~(笑)」とおどけてみせた。
また、『奇跡の人』以来、2年ぶりの舞台となる石原は「(以前に出演した『奇跡の人』の)ヘレン・ケラー役にはセリフがなかったんですけど、今回はセリフが多いんです。しかも今日の朝もつかさんがセリフを変えたんですよ~」とつかワールドに少し戸惑いを見せたが、石原の恋のお相手・坂本龍馬役を演じる真琴つばさは「"沖田"には魅せられています」と石原の演技を絶賛。さらに、同作の見どころとして真琴が「一幕終盤で(石原が)"エクスタシーな女"を演じてくれるので楽しみにしてください!」と意味深発言したのに対して、「それは経験に基づいた演技ですか?」との質問も出たが、石原は「つかさんの指導ですね(笑)」と笑顔でかわしていた。
- 関連記事
-
テーマ:演劇
- ジャンル:学問・文化・芸術
|