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国連の世界気象機関(WMO)は21日、「アースデイ」(22日)を前に、世界の気候状況に関する年次報告書を公表しました。地球温暖化により海面上昇の速度が1993~2002年の時期に比べ2倍となり、海面水位が過去最高になったと明らかにしました。
報告書によると、海面は1990年代前半から計10センチ以上上昇しました。昨年は地球上の海面58%で海水温が異常に高い「海洋熱波」を観測。海水温は過去20年間で最も高く、南極の海氷面積は昨年6~7月には観測史上最小になりました。
三大温室効果ガスの二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素の排出量は21年に観測史上最多となり、22年の排出量はさらに上昇していると見通しています。
世界各地で熱波や洪水などの異常気象の発生頻度が高まっていると強調。欧州では昨年、記録的な熱波により1万5千人が死亡。昨年10月までに洪水の影響により世界で800万人が国内避難民となりました。東アフリカでは5年に及ぶ干ばつに紛争の影響が重なり、現在2000万人が深刻な食糧危機に陥っています。
報告書は「技術が発展したことにより、再生可能エネルギーへの移行がかつてなく安価で簡単にできるようになっている」と強調。異常気象による壊滅的な影響を緩和するために、気象観測や早期警報システムにも資金投入するよう勧告しています。