Ludwig van Beethoven の 「大フーガ」 についての第3回目です。
前回示した楽譜の内、最初の一段目を見てみましょう。

ト長調、またはホ短調だが曲のイメージからすると【ホ短調】 8分の6拍子。
御覧のように最初は、この調性(ト長調、またはホ短調)の主音(ドの音)である 【G】音のTutti(全員同じ音を奏すること)である。 ホ短調のようで、最初の音はト長調の主音であるところが特異! 主音【G】を 【G,G G’】とフォルテ(f)で1.5小節,その後2.5小節に亘り【G】を フォルテッシモ(ff)で響かせた後、 そのままTutti スフォルツァンド(sf)で、【G#】⇒【F’】⇒【E’】⇒【G#】と それぞれ1小節づつ鳴らし、次に、【A】⇒【F#’】と一拍づつ。 この音の進行は、当時の音楽の常識とはかけ離れている。
特に、その中でも 【G#】⇒【F’】 の減7度の上行跳躍と 【E’】⇒【G#】 の減6度の下降音形、ならびに 【A】⇒【F#’】 の一拍づつの決定打(上の【G#】⇒【F’】を半音上げた形)が このフレーズを特徴付けている。
現代音楽なら有り得る音の進行だが・・・
ここだけでも、当時(1822年頃)の聴衆の度肝を抜くものであったことは確かであろう。
なお、文字での音程の表記は、下記とした。 下第一線の【C】(いわゆる・ド)から 第3線の【H】(シ)までは符号なし、 1オクターブ下を【C,】~【H,】 1オクターブ上を【C’】~【H’】 2オクターブ上を【C”】~【H”】 と表すことにする。
今日は、ここまで。
 よろしければ、応援のクリックを御願い致します!
********************************* 「敬愛なるベートーヴェン」 公式サイト で、「大フーガ」 全曲を聴くことができます。 右の 【Enter】 をクリックしてみてください。 上に示した楽譜は、その最初の十数秒です。 これを聴いていただくと、如何に難解な曲かがお解かり頂けると思います。
************************************ ランキングの応援をよろしく ⇒  ************************************
【大フーガ】 第3回 【大フーガ】 第1回 へ 第2回へ 第4回へ
- 関連記事
-
テーマ:クラシック
- ジャンル:音楽
|