Author:junsky07 私の旅行記や、オペラ・バレエ・ミュージカル・演劇等の観劇の感想などを気の向くままに書いてゆきます。
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源氏物語の写本の一つで約70年間、行方が分からず幻の存在だった「大沢家本」が見つかり、国文学研究資料館の伊井春樹館長が21日、大阪府内の講演会で発表した。 54帖がすべてそろい、国学者小杉榲邨による1907年の鑑定書なども添えられており、重要文化財級という。所有者の意向で、所在場所などは明らかにされていない。大沢家本は鎌倉時代から室町時代にかけて書き写されたとみられる。
「源氏物語」の全54帖(じょう)がそろった写本「大沢家本」が奈良県の旧家で見つかり、調査した伊井春樹国文学研究資料館長が21日、大阪府堺市内で開いた講演会で実物と確認できたことを明らかにした。現在読まれている源氏物語にない表現もあり、貴重な資料という。 同本は、鎌倉時代中期のものと見られ、各帖縦横約16センチ。室町時代末期に整えられた。大沢家の先祖が豊臣秀吉から拝領したという伝承があり、1940年ごろまで同家が所蔵していたが、その後約70年間所在不明になっていた。
源氏物語千年紀の今年、姿を現した「大沢本」は、源氏物語研究に新たな道筋を開く可能性に満ちている。何より国文学者たちが注目するのは、これまでの研究では非主流だった「別本」と呼ばれる写本が54帖中、28帖もあることだ。 日本を代表する古典として有名な源氏物語だが、紫式部の自筆原稿(原本)は残っていない。必要に応じ、書き写すことにより読み継がれてきた。だから、筆写を重ねるうちに相違点も積み重なっていく。 紫式部から約200年後の鎌倉初期、歌人の藤原定家が、さまざまな写本の中から54帖をまとめたのが表紙の色からそう呼ばれる「青表紙本」で、4帖が現存する。私たちが目にする源氏物語の多くは青表紙本系統の「大島本」をもとにしている。 また、鎌倉中期に源光行父子が校訂した「河内本」も室町中期まで広く読まれたが、定家の名声の高まりとともに廃れた。 一方、大島、河内の両系統に属さず、これまで「別本」と呼ばれてきた写本群がある。代表は「陽明文庫本」。源氏物語の最古の注釈書「源氏釈(しゃく)」(平安末期)と近似し、古い表現が残り、平安期の源氏物語に迫る手がかりとなるという。 “定家以前”の別本研究は最近、新発見が相次ぐ状況にある。そのタイミングで今回、54帖そろった大沢本が出現した意味は大きい。大沢本の系統別内訳は、青表紙本系統が22帖、河内本系統4帖、別本28帖となっている。「夕霧」の巻末に「なにはの浦に」という一文が記されるなど、これまでの写本には見られなかった数々の相違点があるという。 池田和臣・中央大学教授は「源氏物語の研究は、これまでの概念にとらわれず、文献学に基づいて本文を読み込み、洗いざらい初めからやり直さなければならない時期に来ている」と話す。大沢本の公開が、その画期となることは間違いない。(牛田久美)
はじめまして。 源氏物語の写本の写真、拙ブログに使わせていただきました。 本当にありがとうございました。
【2008/07/22 06:55】 URL | TOM #a19sqO0. [ 編集]