(長い投稿の関連部分引用)
7月30日(金)、そしてきょう8月2日(月)放送の「おかえりモネ(第55、56話)」を見ていてビックリしました。私たち気象関係者が、5年前に「まさか」と驚愕した台風のコースが描かれていたからです。

気象キャスターの朝岡(西島秀俊)も尋常ならざる表情で「これ、東北の太平洋側に上陸するかも知れない・・・」とつぶやきました。画面に映し出された台風進路図は、中心気圧が945hPa、最大瞬間風速は60メートルで、非常に強い勢力を持った8号が、複雑な進路を取りながらも東北地方に上陸する予想になっていました。
当時の私たちと同様に、朝岡が神妙な顔になっていたのには理由があります。ドラマ内の年代でもある、2016年8月の時点では、東北の太平洋側(岩手・宮城・福島)に上陸した台風は、(実際にも)統計的には一つも無かったからです。
(中略)
そしておどろくことに、今年も東北地方に台風8号がやってきて、7月28日に宮城県の石巻市付近に上陸しました。

幸いというべきか、この台風による大きな被害は無かったのでドラマとして見ることができましたが、もし8号が大きな被害を与えてしまっていたら、その偶然性に愕然としたことでしょう。
昔と変わった台風コース
1951年の統計開始以来65年間、台風は東北地方に上陸していません。しかし2016年、そして今年と、近年は東北地方でも台風が来ることが実証されました。
さらに付け加えると、2016年は北海道にも統計史上初めて三つも台風が上陸しました。(上陸順に7号、11号、9号)
これは昔に比べて台風のコースが変わってきていることの現れかもしれません。
(中略)
「おかえりモネ」は、あくまでフィクションですが、そこに描かれている気象現象は現実にあることを下敷きにしており、現在進行形の出来事といってもいいでしょう。