(引用・前略)
日本にある「芸道精進」という言葉、この概念は英語にはありません。常に精進し続けるというのが日本の芸人の姿勢なんですね。
まだ足らぬ
踊り踊りて
あの世まで
これは六代目尾上菊五郎の辞世の句で、四季の掲示板にはこの言葉が張ってあるんですが、菊五郎ほどの踊りの名人にして「まだ足らぬ」と言ってあの世に行かれた。
それに世阿弥も、
稽古することは生きることと見つけたり
と言っている。舞台に上がって見せるだけでなく、稽古そのものが人生なんだと。このように15世紀の世阿弥から現代の菊五郎に至るまで、芸の道は一貫している。だから、われわれもその伝統に基づけばいい。
四季のDNAはそこにあるといってよいでしょう。