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観劇レビュー&旅行記
【観劇レビュー&旅行記】を中心にFC2上で、私の思いを気の向くままに書いてゆきます。 政治・時事評論は 【JUNSKY blog】に引続き運用します。リンクの一番上に記載しています。


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四百年の朝鮮民族の 『怨』
2008年7月3日(木) 午後7時から
福岡の「ももちパレス」にて
青年劇場 の公演 【族譜】 を観る。
(すごい、この一般的用語ではない「族譜」が一発変換できた!)

photo119184.jpg

  梶山季之=原作 ジェームス三木=脚本・演出
  
   **********************
 舞台は昭和15年(1940年)前後の朝鮮半島で、当時は日本の植民地として朝鮮の人々に日本語教育と同時に『皇国民』教育も行われていた。
 そして、『創氏改名』という祖先から受け継いだ名前を捨てさせ、日本化した名前を名乗らせる政策が強要されていた時代背景である。

 主人公の朝鮮の親日派実業家・薛鎮永(ソルジニョン)に日本名を名乗るように説得に来た日本の下級官吏・谷六郎は、『族譜』についての民族の誇りを聴き取るうちに、“同情”を禁じえないようになるのだが・・・
(ところが、第一幕のこの肝心な『族譜』の開陳の場面で居眠ってしまい、“共感”することができなかった。 残念! 目覚めたのは、殆ど一幕も終わりかけている場面だった)

 第二幕では、薛鎮永(ソルジニョン)の娘・薛玉順が『族譜』に書かれている「文禄の役・慶長の役」について谷六郎に語る。
 すなわち、四百年の豊臣秀吉による朝鮮民族大虐殺に対する歴史の 『怨』 をとうとうと語るのである。
如何に日本軍(秀吉軍)が戦闘員ではない婦女子も含めて残虐行為を働いたかを語る。
朝鮮民族の日本人に対する恨みは、昭和の侵略からだけではないことを谷六郎に(また、彼を通じて観客に)知らしめるのである。

この劇の結末だけを見ると、「日朝人民の間に打ち込まれた楔は、とうてい抜けることはない」と暗澹たる気持ちになる。

暗く、重く、救いのない、また希望の無い終幕だった。

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姜咲知子(Kan Sachiko)  さんによる、この演劇の レビュー記事
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 「族譜」を通してみる“創氏改名”、青年劇場の舞台 2006/11/03
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 「族譜」というのは、代々家の当主が書き残した家族史であり家系図で、宋時代の中国から朝鮮半島や台湾などに伝わったそうだ。今でも韓国では「族譜」を作り続けている家がある。主に両班(ヤンバン)といわれる貴族階級の人たちが残してきたものだが、「族譜」を辿るとその時代、その地域の歴史がよくわかる。

 そんな「族譜」を題材に、日本の植民地政策の一つである“創氏改名”について描いた芝居――『族譜』が、10月27日~11月7日まで新宿紀ノ国屋サザンシアターで上演されている。製作は青年劇場、脚本・演出はジェームス三木が手がけた。植民地時代の朝鮮半島で生まれ育った梶山季之氏が書いた同名の小説が原作となっている。

 ロシアや清国に攻められて支配されるよりは、同じアジアの近い国である日本に植民地化されてよかったと話す地主のソル氏は、日本軍に大量の米を拠出するほどの親日家であった。しかし、代々受け継いできた姓を変えることだけはできないと創氏改名を拒み続けた。

 創氏改名政策を勧める日本政府の役人である谷六郎は、ソル家当主のソルジニョンからソル家の「族譜」を見せられ、その歴史の重みを受け止め、姓を変えることは絶対できないという当主の思いに共感するも、役人としての仕事を全うしなければならず、葛藤する。しかし成績のあがらない谷は創氏改名の職からはずされる。その後、ソル家のまわりでは様々な嫌がらせが続き、追い詰められたジニョンは最期には改名届けを提出することになる……。

 この芝居を通して、改めて支配した側と支配された側の、異なる視点で歴史の断面を見つめ、私たちは歴史から何を知り、何を学び、伝えていかなければならないのか、それはその時代に生きた人々の気持ちなのではないだろうか?と強く思った。
------------

 観劇後、青年劇場の製作スタッフに少し話を聞いた。

―この作品を今、世に送り出した意味をどう考えていますか?

 かつての日本が植民地支配をしていた時代のことを、歴史ではほとんど学ぶことがありません。物事は相対的に見なければならないと思っています。作中、谷六郎が日本人と朝鮮人が逆の立場になって、名前を変えろと迫られる夢を見ますが、立場が変わったときに初めてその苦しみに気づいたりするわけです。創氏改名はひとつのモチーフでしかありません。日本人と同じようになるのが正しいというような傲慢な蔑視感情や閉鎖性は今も日本人の中にあるんではないでしょうか?

―毎日満員と聞きましたが、どんな声が寄せられていますか?

 戦争体験者の集いで宣伝させていただいた時に出会った年配の方が観劇後、わたしのもとに駆け寄り、涙ながら“よく、ここまで描いてくれてありがとう”と声をかけてくださったり、“知識として知っていた加害責任を、心につきつけてくれた”など、想像以上の好評をいただいています。

―今後再演の予定などありますか?

 全国的に上演できたらと考えています。青年劇場では、やはり戦時中の日本と韓国の歴史を描いた『銃口』という作品で、国内だけにとどまらず、昨年韓国で40公演を行いました。日本人のことをどうしても好きになれないと話していた人が、『銃口』を見たあと、感謝の言葉をくださったり感動的な出会いがたくさんありました。演劇を通した民間交流が、どれほど力になるか、それをふまえて、この『族譜』も多くの方に観てもらいたいと思っています。
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 できるならば、このお芝居を多くの中高生に観てほしいと思った。必修科目の履修もれや、続くいじめを苦にした自殺のニュースを聞くにつれ、大人たちの無責任さが招いたことだと腹立たしく思う。子どもたちが置かれた社会状況はあまりに厳しい。つくづく人を育てる教育の重要性を思うし、現政権が掲げる教育改革が、子どもたちに、多面的に物事を見たり、他人を思いやる力と、生きいきと夢をもって生きていける希望を与えてくれるものであってほしいと願わずにはいられない。


<公演情報>
第92回公演「族譜」
梶山季之=原作 ジェームス三木=脚本・演出 


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テーマ:演劇 - ジャンル:学問・文化・芸術

この記事に対するコメント

私も観劇しました。
本当に、若い人たちに見てほしい作品でしたね。
制作スタッフとの懇談があったのですね。参加したかったな~。

【2008/07/05 23:03】 URL | 嶽村 #- [ 編集]



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