(引用)
イタリア語「マンマミーア」は「何てこった」という意味。直訳は「私のお母さん」だが、ここは聖母マリアを指す。「聖母様、助けて」と
▼劇団四季のミュージカル「マンマ・ミーア!」を福岡市のキャナルシティ劇場で見た。シングルマザーが苦労して育てた一人娘の結婚式前夜の物語
▼公演は一時休止していた。流れるABBA(アバ)の名曲を借りれば、コロナ禍で演劇や音楽の関係者は<マンマ・ミーア!>と頭を抱え<マネー、マネー、マネー>の問題で<S・O・S>。文化を楽しめる日常がようやく。改めて<音楽をありがとう>と言いたい
▼「マンマミーア」はここでも。お母さんになる人が減り続けている。昨年生まれた子どもは過去最少の約86万5千人。さらに今年はコロナで大幅に減り、来年は70万人台に落ち込む懸念も
▼とりわけ、非正規で働く若い人やシングルマザーは困窮し、悲痛な「SOS」が。先行きへの不安は結婚や出産をためらわせる。子どもを持ちたくても、経済的理由で諦める人もいよう
▼菅義偉首相は「少子化対策に真正面から取り組み、大きく前に進める」とし、不妊治療への保険適用拡大を表明した。結構なことだ。「マネー」の支援だけなく、男性も含めた働き方の改革や育児休暇の充実、保育待機児童の解消など、「総合的・俯瞰(ふかん)的な」対策を、ぜひ。社会全体で「赤ちゃんをありがとう」と言えるように。