(記事引用)

【毎日新聞によるリード文】
新型コロナウイルスの感染拡大によるスポーツ・文化イベントの自粛が相次ぐ中、東京芸術劇場の芸術監督を務める劇作家で演出家、俳優の野田秀樹さん(64)が1日、「公演中止で本当に良いのか」と題した意見書を発表した。「演劇人として劇場公演の継続を望む」としている。
安倍晋三首相が2月26日に、スポーツ・文化イベントの開催を2週間自粛するよう要請したことを受けたもの。演劇企画製作会社「NODAMAP」のウェブサイト上で発表した。
意見書の中で野田さんは、スポーツイベントのように無観客では演劇は成立しないことから、「ひとたび劇場を閉鎖した場合、再開が困難になるおそれがあり、それは『演劇の死』を意味しかねません」と主張。さらに「もちろん、感染症が撲滅されるべきであることには何の異議申し立てするつもりはありません」とした上で、「けれども劇場閉鎖の悪(あ)しき前例をつくってはなりません」と述べた。公演を目指す演劇人への風評被害への危惧や、公演収入が途絶える関係者の生活にも触れ、公演中止は「最後の最後の苦渋の決断であるべきです」と訴えている。
この意見書を見た劇作家、演出家の平田 オリザさんが、さっそくツイッターで「私も連帯を表明します」とつぶやいた。演劇関係者や演劇ファンの間でも野田さんの意見書に賛同する声が広がっている。
【毎日新聞:油井雅和】