2018年2月19日(月)
きのう2月18日 中洲大洋で、METオペラ【トスカ】を見ました!
プッチーニが作曲した悲劇で、主要な役柄は皆んな死んでしまいます!
何度も観たオペラですが、やはり全部覚えている訳では無く、 新しいキャストでもあり初めて見るような印象でした!
もちろん『歌に生き恋に生き』とか『星はひかりぬ』は 忘れてはいませんでしたが・・・
プッチーニ【トスカ】予告編

松竹MET LIVE 【TOSCA】公式サイトより プッチーニ《トスカ》 TOSCA - Puccini(新演出)
METライブビューイング2017-18《トスカ》 「歌に生き、恋に生き」リハーサル映像
《トスカ》新演出みどころレポート 石戸谷 結子(音楽ジャーナリスト) 松竹公式サイト - 2018年2月9日(金)
METライブビューイング2017-18《トスカ》 二重唱 リハーサル映像
石丸幹二《トスカ》スペシャルトークイベントリポート 石丸幹二(ミュージカル・タレント、俳優) 松竹公式サイト - 2018年2月17日(土)
美貌の歌姫と青年画家の恋を阻む苛酷な運命! 名アリアが彩るスリリングな歴史サスペンスドラマ!
冷酷な警視総監に狙われた歌姫と画家の運命はいかに? 1800年のローマを舞台にした愛と欲望のサスペンスドラマを、〈歌に生き、恋に生き〉〈星は光りぬ〉などの名アリアが彩る。 ローマの名所を忠実に再現したD・マクヴィカーの美しい舞台も必見。 流麗で歌心あふれる指揮で歌手からの信頼も厚いE・ヴィヨームの指揮のもと、濃密な声と美貌のS・ヨンチェヴァ、人気沸騰のイタリアンテノールV・グリゴーロ、劇的な美声と抜群の演技力を誇るZ・ルチッチが手に汗握るドラマを繰り広げる!
指 揮:エマニュエル・ヴィヨーム 管弦楽 : メトロポリタン歌劇場・管弦楽団 合 唱: メトロポリタン歌劇場・合唱団 演 出: デイヴィッド・マクヴィカー 出 演: 役 名 : 配 役 トスカ : ソニア・ヨンチェヴァ、 カヴァラドッシ : ヴィットーリオ・グリゴーロ、 スカルピア : ジェリコ・ルチッチ、 堂守り : パトリック・カルフィッツィ 上映時間: 3時間(休憩2回) MET上演日: 2018年1月27日 言 語: イタリア語 上映期間: 2018年2月17日(土)~2月23日(金)
《トスカ》のあらすじ 1800年のローマ。孤児の身から美声を認められて人気歌手になったトスカは、パリ帰りの画家カヴァラドッシと恋に落ちている。だがフランス革命下で育ったカヴァラドッシは筋金入りの共和主義者で、ローマを支配しているナポリ王国の警視総監スカルピアから狙われていた。脱獄してきた友人の共和主義者アンジェロッティをかくまったカヴァラドッシは、スカルピアに逮捕されてしまう。トスカに横恋慕するスカルピアは、彼女を呼び出し、恋人の命と引き換えに肉体を要求するが…。
デイヴィッド・マクヴィカーによる舞台装置
 【第1幕】 聖アンドレア・ヴァッレ教会の豪華な聖堂内部
 【第2幕】 ファルネーゼ宮殿・内部 (スカルピアの執務室)
 【第3幕】 聖アンジェロ城 屋上 (処刑場)
*****************
《トスカ》新演出みどころレポート 石戸谷 結子(音楽ジャーナリスト) 松竹公式サイト - 2018年2月9日(金) いまニューヨークだけでなく世界のオペラ・ファンの間で、話題沸騰の注目舞台が、メトロポリタン歌劇場で新演出上演されたプッチーニ《トスカ》だ。
昨年の大晦日にプレミエを迎え、1月27日に全世界に向けてライヴビューイングが行われたばかりだが、3人の主役と重厚な演出が大絶賛されている。 じつはこの《トスカ》、幕が開くまでにまるでオペラのようにドラマティックな経過をたどった。
年間プログラムが発表された昨年のはじめから、主要キャストがさまざまな理由で次々と降板し、幕開け寸前までに指揮者と3人の主要キャストがすべて変更になってしまったのだ。しかしさすがはMET、ピーター・ゲルブ総裁は、直ちに予定キャストをしのぐ実力ある歌手たちを起用することに成功したのだ。今回の公演を成功に導いた最大の原因は、トスカ役のソニア・ヨンチェヴァとカヴァラドッシ役のヴィットーリオ・グリゴーロのフレッシュ・コンビだ。二人は共に次代のオペラ界を担う上り坂の若きスターであり、二人ともこれがロール・デビューだった。
主役のトスカは、ローマで一番の人気を博す美声と美貌の歌姫であり、情熱的な気性の誇り高いプリマドンナだ。ヨンチェヴァは、この役を堂々とした存在感と毅然とした風格で演じ切った。いまヨンチェヴァは一段と貫禄が増し、同時に声も立派に成熟した。もともと豊潤な美声と表現力の持ち主だが、昨年10月のパリ・オペラ座《ドン・カルロス》のエリザベッタでは、声量も感情表現もより豊かになり、フレージングの妙技もさらにアップした。いま新しい役に次々とチャレンジし、勢いに乗っている、今回の《トスカ》では2幕の〈歌に生き、恋に生き〉を熱唱し、聴衆から嵐のような喝采を受けた。
一方、相手役の美男テノール、グリゴーロはローマ出身。13歳のとき、パヴァロッティ主演《トスカ》で羊飼いの少年役を歌って以来、カヴァラドッシ役を歌うのを夢見ていたという。彼の持ち味は情熱的歌唱と軽やかな身体表現だが、この特技を生かし、若々しく熱血漢のカヴァラドッシを見事に演じ、3幕〈星は光りぬ〉を切々と歌い、聴衆の熱い喝采を浴びた。
開幕間際になって、急遽代役でスカルピアを歌ったジェリコ・ルチッチは役柄をすっかり手中に収めた大ベテラン。朗々とした美声と深い表現力で憎々しいほどの悪漢を演じた。
ところで演出だが、長年METで愛されてきたゼッフィレッリの舞台に代わり、2009年に新演出されたリュック・ボンディの舞台が一部の聴衆には不評だった。
そこで今回はMETで多くの舞台を成功させた人気演出家のデイヴィッド・マクヴィカーが新しく手掛けることになった。P.ゲルブ 総裁から「美しい舞台を」と要請されたマクヴィカーは、1幕では今もローマに現存する聖アンドレア・ヴァッレ教会の豪華な聖堂をそっくり再現して舞台に出現させた。また同じく今はローマの観光の名所になっている2幕のファルネーゼ宮殿(現フランス大使館)と3幕の聖アンジェロ城も本物と見まがうほど絢爛豪華に再現した。この装置は「ゼッフィレッリへのオマージュ」といわれている。
また今回マクヴィカーがこだわったのは、主役ばかりではなく、合唱団に至るまで細やかな演技や表情を加えていることで、演劇的な舞台になった。初日の幕が開くと、この演出は大好評で迎えられた。
指揮者はフランス人で、METでも活躍するエマニュエル・ビヨーム。若々しい恋人たちの情熱的な愛の悲劇に焦点を当てた演奏で、公演を成功に導いた。
様々な悲劇に見舞われた《トスカ》だが、結果は「大成功」のうちに幕が開いた。
石丸幹二《トスカ》スペシャルトークイベントリポート 石丸幹二(ミュージカル・タレント、俳優) 松竹公式サイト - 2018年2月17日(土) 世界最高峰のメトロポリタン・オペラを大スクリーンで楽しむMETライブビューイング。今シーズン大注目の作品、プッチーニ《トスカ》新演出の公開初日にオペラ愛好家として知られる俳優 石丸幹二さんのスペシャルトークイベントが開催されました!
イベントの始まりには「オリンピック真っ最中ですが、今日はオペラを楽しみましょう!」と観客へ向けてにこやかに挨拶をし、和やかなムードで始まりました。
METライブビューイングについては以前から知っていたという石丸さん。「ニューヨークで上演されたばかりの作品が、こんなにも早く日本で、しかも大スクリーンで観られるなんてすごい!複数のカメラで撮られていますから、現地の特等席よりも、こちらの方が良い席だとも言えますよね!」と熱くMETライブビューイングを紹介しました。
今回上映の《トスカ》は作曲家プッチーニの傑作。自身で選曲したクラシックコンピアルバム「石丸幹二のクラシックへようこそ」にも、第3幕のテノールの名アリア〈星は光りぬ〉を選んだほど、プッチーニの作品の中でも特に「《トスカ》が一番ドラマティックだと思う!」と語る石丸さん。そのドラマティックな運命に翻弄される主役の美貌の歌姫フローリア・トスカはオペラ随一の難役。 石丸さんは「主役がオペラ歌手という設定のオペラ作品は珍しい。だからこそ難しい。今日はぜひトスカ役に注目をしてください!」と語り掛けました。 様々な歌劇場で《トスカ》を観てきたという石丸さん。「中でも今回のMETの《トスカ》は非常に演劇的だと思います。歌手たちが登場人物たちの心情を自然に表現していて、まるで芝居を観ているようで、とてもワクワクしました」と、今回の歌手たちの演技を大絶賛。オペラの中でも最も有名な対決のシーンとして知られるトスカと警視総監スカルピアのやりとりについては、抜群の演技力を誇る名バリトン ジェリコ・ルチッチの「スカルピアの攻め方が憎々しいけどセクシー。私も役者として(演技を)盗もうと思いました!」と会場を沸かせました。世界中で引っ張りだこのソニア・ヨンチェヴァ、大人気のテノール ヴィットーリオ・グリゴーロ、そして屈指のバリトン ジェリコ・ルチッチの3人についての印象は「美しくて、ハンサムで、憎々しい!そして3人とも演技が素晴らしい!心の中が手に取るようにわかります。特にトスカは、私の知っている今までのトスカとは違うんです!わがままだけじゃない気がしたんです。そこが見どころです」と大絶賛。
舞台となった1800年当時のローマに実在する教会や宮殿を精巧に再現したことでも話題となっている今回のデイヴィッド・マクヴィカーの演出版。石丸さんは「教会の柱も実在するローマの柱を模していて、現地の人でもあの教会だ!とわかるほどだそうです!」と演出のリアルさにも驚きの表情。第3幕のサンタンジェロ城の屋上のシーンでは「舞台にわざと傾斜をつけていて、奥から囚人たちが上がって来るときの影が非常にリアル。第3幕、処刑のシーンからスタートする演出にゾクゾクします!」と、様々な演出版を見比べてきた舞台俳優・石丸さんならではの注目ポイントを紹介。
METライブビューイングといえば、幕間の特典映像での歌手や演出家へのインタビューもオペラファンの楽しみのひとつ。そのインタビューには「同じ演じる人間として勉強になりました。舞台で歌ったばかりの幕間に、みなさん理路整然と気持ちや考えを伝えていて。インタビュアーも歌手の方ですから、舞台人同士の心の分かち合いも観れますし、時間ぎりぎりまで話してくれようとする。そんな生の声が聞けるというのは幸せですよね!」と太鼓判。特典映像も見逃さないでとおすすめしました。
長年ミュージカルで活躍されている石丸さんは「オペラもミュージカルも、どちらも”歌”を介して物語を伝えるというのは同じ。ミュージカルは現代のオペラだなと思います」と語ります。自身が主演を務めるミュージカル『ジキル&ハイド』(3/3(土)から上演)について、「今回このオペラを観たことで刺激を得ました。より妖しく、演じてみようと思っています!」と意気込みを話すと会場からは自然と拍手が沸き起こりました。
そして最後に「『愛のために死ねる』って、現実にはなかなか無理だけれど、《トスカ》 のようにオペラの中でならあり得ます!第3幕の〈星は光りぬ〉は心がキュキュキュと締め付けられますよ。みなさん、ハンカチを忘れないで!」と熱く締めくくりました。
- 関連記事
-
テーマ:クラシック
- ジャンル:音楽
|