2017年12月23日(土)今日は、昼前の11:30上映のドキュメンタリー映画【dancing Beethoven】 <原題:Beethoven par Bejart> (ベジャールによるベートーヴェン)を KBCシネマで見ました。 あとで調べたら全国的に本日から上映開始だそうです。 スイス・スペイン合作映画とのこと。 マニアックな映画にも関わらず、客席の半部以上が埋まる 50人ほどの盛況でした(数えた訳では有りません)! 映画はドキュメンタリーで、モーリス・ベジャールが 全盛期にベートーヴェンの交響曲第9番の全曲に 振り付けした演目を、新たに上演しようと言う取り組みを 制作段階当初から稽古風景もヤラセでは無く収録し、 東京での公演に至るまでを描いています。【dancing Beethoven】公式サイト http://www.synca.jp/db/ 『ダンシング・ベートーヴェン』予告編 VIDEO インタビュアーは、若い美形の女性で主にフランス語で たまには英語で問い掛けています。 この女性がバレエ団とどういう関係にあるかは映画の中盤で 判りますが、ネタバレになるかも? なので書きません! (バレエ団員では有りません) モーリス・ベジャール・バレエ団だけでは人が足らず、 東京バレエ団との共演としてプロダクションされ、さらに 黒人系の参加者数十人を訓練して参加させると云うもの。 前列のバレリーナたちの脚の長いこと(日本人では無理かも?) 人種を超えた『人類は兄弟』 とのシラー(原詩)とベートーヴェンの 想いをキャスティングでも振り付けでも音楽でも実現すると云う 強い意志を感じられます。【Alle Menchen werden Brüder】 (全ての人々は兄弟に成る) 【Seid umschlungen, Millionen! Diesen Kuß der ganzen Welt!】 (歓喜に抱かれよ!百万の人々よ!この口付けを全世界に!) 第九の歌詞の主要部分は『ここから』どうぞ! 演奏するのは、インド人 ズービン・メータが指揮し、 ユダヤ人系が多いイスラエル・フィルがオケを担当します。 なお、今回重要な役を演ずるモーリス・ベジャール・バレエ団の ソリストに複数の日本人男性ダンサーが選ばれています。 東京公演であるからでは無く、技術と表現を評価されて 抜擢されたようです。 緊張感のあるドキュメンタリー映画でした。 本公演の映像が全部流れると期待していたのですが 全体で80分程で、残念ながら制作過程が 中心のドキュメンタリー であり本公演部分は僅か5分間?位の切り取りだけでした! 最後の拍手も無かったので、ゲネプロ場面の映像かも知れません。 クラシック音楽やベートーヴェン或いはバレエに関心の無い方にとっては、 退屈極まりない映画かも知れませんが、私には興味津々の映画でした。映画.com による作品解説へのリンク ダンシング・ベートーヴェン @eigacomさんから http://eiga.com/movie/87787/ 【解説】 2007年に逝去したフランスの天才バレエ振付家モーリス・ベジャールの代表作「第九交響曲」の舞台裏をとらえたドキュメンタリー。「ベジャール、そしてバレエはつづく」のアランチャ・アギーレ監督が、ベジャール・バレエ団と東京バレエ団、世界的指揮者ズービン・メータ率いるイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団が奇跡の共演を果たした東京公演に密着。21世紀のバレエ史上最高傑作と称されたステージが完成するまでの度重なるリハーサル風景をはじめ、ベジャールの後継者ジル・ロマン芸術監督のもとでベジャール・バレエ団が新たな一歩を踏み出す様子、さまざまな文化的背景を持つダンサーたちがそれぞれの思いを抱えながらステージに挑む姿を映し出す。ベジャール・バレエ団に所属する大貫真幹ら日本人ダンサーにも注目。【作品データ】 原 題 : Beethoven par Bejart;ベジャールによるベートーヴェン 製作年 : 2016年 製作国 : スイス・スペイン合作 配 給 : シンカ 上映時間 : 83分 映倫区分 : G【キャスト】 マリヤ・ロマン エリザベット・ロス ジュリアン・ファバロー カテリーナ・シャルキナ 那須野圭右 オスカー・シャコン 大貫真幹 上野水香 柄本弾 吉岡美佳 クリスティン・ルイス 藤村実穂子 福井敬 アレクサンダー・ビノグラードフ ジル・ロマン ズービン・メータ【スタッフ】 監督 : アランチャ・アギーレ 振付 : モーリス・ベジャール 音楽: ルードビヒ・バン・ベートーベン
【関連記事】 モーリス・ベジャール没後10年 「第九」の舞台裏を捉えたドキュメンタリー本編映像 映画.com 速報 - 2017年12月17日 http://eiga.com/news/20171217/2/ (この映画を詳しく紹介しています!) この映画終了後、同じKBCシネマで上映される次の映画を見ようと思ったのですが、 立ち見が出るほどの盛況で、既に通路に多くの方が並んでいたのでやめました。 その映画は、【希望のかなた】 ヘルシンキに流れ着いた『シリア難民』を描いた映画だそうです。
****************************** 第九の歌詞の主要部分 (開設者訳) Freude, schöner Götterfunken Tochter aus Elysium, Wir betreten feuertrunken, Himmlische, dein Heiligtum! Deine Zauber binden wieder Was die Mode streng geteilt; Alle Menschen werden Brüder, Wo dein sanfter Flügel weilt. 歓喜よ!神の炎、楽園からきた乙女! 我らは、炎に魅せられ聖なる地に導かれる。 汝の(歓喜の)魅力は、時代が厳しく分断した者達を、再び結びつけ 全ての人間は歓喜の柔らかい翼の中で兄弟になる! Seid umschlungen, Millionen! Diesen Kuß der ganzen Welt! Brüder, über'm Sternenzelt Muß ein lieber Vater wohnen. Ihr stürzt nieder, Millionen? Ahnest du den Schöpfer, Welt? Such' ihn über'm Sternenzelt! Über Sternen muß er wohnen. 抱かれよ幾百万の人々(諸人)よ、この口付けを全世界に! 兄弟よ! あの星のかなたに愛する父はおわします。 ひざまづくのか諸人よ (ここは大事!みんなくじけるな!の意味) 世界よ、創造主を感じるか? 汝の頭上にある星ぼしを探せ 星のかなたに彼は必ずおわします。 ****************************** モーリス・ベジャール没後10年 「第九」の舞台裏を捉えたドキュメンタリー本編映像 映画.com 速報 - 2017年12月17日 http://eiga.com/news/20171217/2/ 2007年に逝去したフランスの天才バレエ振付家モーリス・ベジャールの代表作「第九交響曲」の舞台裏をとらえたドキュメンタリー「ダンシング・ベートーヴェン」のステージ本編映像と、来日したアランチャ・アギーレ監督からのコメントが公開された。 映画は、ベジャール・バレエ団と東京バレエ団、世界的指揮者ズービン・メータ率いるイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団が共演した東京公演に密着。リハーサル風景をはじめ、ベジャールの後継者ジル・ロマン芸術監督のもとでベジャール・バレエ団が新たな一歩を踏み出す様子、さまざまな文化的背景を持つダンサーたちがステージに挑む姿を映し出す。 このほど公開されたのは、本作のクライマックスともいえる「第九交響曲」の本番ステージの一部。ベジャールが「第九」全4楽章を古代ギリシャで世界を形作るものと考えられた“四大元素”と結び付け、第1~4楽章のそれぞれをイメージした色の衣装を纏うシーンの第4楽章。魂の震えるような音楽とダンスが一体になっていくステージの迫力が伝わる映像だ。アランチャ・アギーレ監督(女性) 「ダンシング・ベートーヴェン」 10代の頃、スペインで初めてベジャールバレエに出会い、バレエ学校を経て、映画監督という道を選んだアギーレ監督。本作では「全てのショットが完璧で、美しいものであるように」心がけたそう。また、ダンサーを見つめるナレーターの存在は、自身の経験から着想を得た。また、ベジャールの「第九」における“人類よ、一つになれ”という言葉に触れ、「今だからこそ、ベートーヴェンのメッセージが必要だと思います。それは理想主義を人類が取り戻すこと。困難にみちている時代だからこそ、過去をかえりみて、自分たちを助けてくれる要素を復興させることが必要だと思っています」と語る。 そして、「第九」は人類にとっての傑作だと持論を述べ、アイザック・ニュートンの「私は遠くまでみることができる、なぜなら巨人の肩にのっているから」という言葉を引用しながら、「巨人というのは、人類のありとあらゆる傑作のこと。一人で立っていたら遠くまでは見えないが、これまで存在したクリエイター、遺産、芸術、傑作といった巨人の肩にのる。そうすると、自分の力だけでは見えないものが見えるようになる。芸術作品のことをそう語っていて、私もその通りだと思う。傑作を見ることは、自分自身にとってとても有益なことです」と観客へ向けてメッセージを送った。 「ダンシング・ベートーヴェン」は、12月23日から全国公開。
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