2017年1月24日(火)
日本人なら、待望の日本人・横綱・稀勢の里の誕生を 一般論としては喜ばなくてはならないのだろうが、 14日目に優勝が決まった時点で、まだ横綱・白鵬との一戦が残っているのに NHKを筆頭にマスメディア挙げて「日本人・横綱・稀勢の里の誕生」を 振り撒いているのには、「べっぴんさん」のヒロイン・すみれのように 「何か?何かなぁ?!」 と引っ掛かるものがあった。
特にNHKは14日目の相撲中継がまだ終わらない内から番組中で 「日本人・横綱・稀勢の里の誕生」を決まったことのように繰り返していた!
私は、大相撲には詳しくないので、稀勢の里の前場所(福岡場所?)の成績が 優勝に準じるものであるのかどうか解らなかったが、「初優勝」であることが アナウンサーの奇声から解り、「初優勝」で横綱になれるのか?! と大きな疑問が湧いた!
私が、その時思ったのは、随分前の話ではあるが、貴乃花(貴花田?)が 二場所続けて優秀な成績を上げたのに、「連続優勝では無い」ことが 唯一の欠陥となって横綱になれなかった! しかし、貴乃花は、この仕打ちをバネにして、次の場所で文句なく横綱に なり、その後は強い横綱として長らく相撲界を支えた。
しかし、昨日の「横綱審議委員会」では、「初優勝」したばかりの稀勢の里を 全員一致で「横綱に推挙する」ことが決まったとのこと。
弱い横綱になって、引退する破目にならないことを祈りたい!
横審が稀勢の里を推薦 …急ぐ横綱昇進は実力不信の裏返し (一部抜粋) 日刊ゲンダイ - 2017年1月24日 稀勢の里は先場所12勝3敗の優勝次点とはいえ、終盤に平幕に敗れ優勝レースから脱落している。今場所も2横綱が途中休場し、大関陣も琴奨菊が関脇に陥落するなど上位陣が総崩れ。揚げ句、1勝は豪栄道戦(13日目)での不戦勝だ。稀勢の里に責任があるわけではないが、この2場所を見る限り、「横綱にふさわしい」と判断するには早計だ。 例えば94年の貴乃花(現理事)だ。この年は1~9月の5場所で優勝3回、残り2場所も11勝という成績を残した。ところが、協会に諮問された横審は「2場所連続で優勝していない」として、昇進拒否の答申。去年最多勝の稀勢の里よりはるかに優れた成績でも、昇進はかなわなかった。

この件で、礼賛記事ばかりが目立つ処であったが、日刊ゲンダイが 辛口の批評をしていたので、同じ思いでスッキリした!
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横審が稀勢の里を推薦 …急ぐ横綱昇進は実力不信の裏返し (Web記事全文) 日刊ゲンダイ - 2017年1月24日 21日に自身初優勝を決めた大関稀勢の里(30)。千秋楽の22日は結びの一番で横綱白鵬を破り、14勝1敗で夢にまで見た賜杯を抱いた。
初めて受ける優勝インタビューでは、「本当にいろいろな人の支えがあって、ここまでできたと思っている」と話すと、切れ長の目にうっすらと涙。
「一日一番の気持ちで集中してやったからです……」
と嗚咽を漏らした。
大関昇進後、31場所での初優勝は歴代トップのスロー記録。それだけに稀勢の里も感極まったのだろうが、だから横綱に昇進させていいかといえば、話は別だ。
稀勢の里は先場所12勝3敗の優勝次点とはいえ、終盤に平幕に敗れ優勝レースから脱落している。今場所も2横綱が途中休場し、大関陣も琴奨菊が関脇に陥落するなど上位陣が総崩れ。揚げ句、1勝は豪栄道戦(13日目)での不戦勝だ。稀勢の里に責任があるわけではないが、この2場所を見る限り、「横綱にふさわしい」と判断するには早計だ。
「横綱昇進」の気炎を上げていたのは相撲協会だ。二所ノ関審判部長(元大関若嶋津)は、「去年最多勝だし、(審判部から)異論はなかった。逆に下(若い親方衆)から、上げてくれ、という声が出ていた」と千秋楽が終わる前から、異例のバックアップ。
その言葉通り、23日に開かれた横綱審議委員会(横審)で稀勢の里を横綱に推薦することが認められた。25日の理事会を経て正式に昇進が決定する。
■「私より国民が期待」という横審
横審の守屋委員長もひどかった。場所前は「(先場所は最後まで)優勝争いをしていない」と厳しかったのが、21日に優勝を決めるや、「(昇進させても)もうよろしいのではないか。(期待しているのは)私というより国民でしょう。千秋楽の結果は重視しなくていい」と、もうメチャクチャだ。
なにが「もうよろしい」かは知らないが、横綱は人情でつくるものではない。
そもそも、横審の内規の昇進基準には「2場所連続優勝、あるいはそれに準ずる成績」とある。横審の委員長が前言を翻し、「世間の声」に流されてどうするのか。
相撲評論家の中澤潔氏は「情けない限りです」と、苦言を呈する。
「横綱審議委員会が設立されたのは67年前の1950年。協会が横綱の大関降格に関するルールを設けたことで、好角家が『そんないい加減な横綱を最初からつくるな!』と猛反発。その結果、つくられたのが横審です。相撲協会のお目付け役として、『強い横綱をつくる』ことが目的のはず。決して相撲協会の応援団ではないし、過去には『まだ時期尚早』と横綱昇進を認めなかった例もあります。少なくとも、稀勢の里にとって今場所は綱とり場所ではなかったはず。重圧をはねのけてこその昇進ではありませんか。本来ならば、ここで待ったをかけるのが横審の仕事ではないですか」
例えば94年の貴乃花(現理事)だ。この年は1~9月の5場所で優勝3回、残り2場所も11勝という成績を残した。ところが、協会に諮問された横審は「2場所連続で優勝していない」として、昇進拒否の答申。去年最多勝の稀勢の里よりはるかに優れた成績でも、昇進はかなわなかった。
基準を満たした上での昇進なら、ファンももろ手を挙げて賛成する。しかし、日本人の横綱見たさに下駄を履かせれば、それは稀勢の里にとっても不幸な結末となりかねない。
「横綱は負け越せば引退という過酷な地位。関脇に落ちてもやり直しがきく大関とはわけが違います。メンタルに難がある稀勢の里は、それだけの重圧に耐えられるのか。せめて来場所も優勝なら十分自信はつくでしょうが……」(前出の中澤氏)
結局、相撲協会も横審も、稀勢の里の力を信じきれないのだろう。ハナから次の場所で優勝するとか、それに準ずる成績を残せるとは思っていないから、タナボタ優勝に、去年の年間最多勝だ何だのと、もっともらしい理由をつけなくてはいけないのだ。
98年の若乃花以来、19年ぶりの日本人横綱が確実となったが、本来ならとっくの昔に横綱になっていなければならない稀勢の里。初優勝にこれだけ時間がかかったのも、頂点に立つだけの力がなかっただけのことだ。強烈な「追い風」による昇進が決まり、本人は素直に喜べるのだろうか。
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テーマ:大相撲
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