2015年7月9日(木)
以前は、政治をこきおろしていた「爆笑問題」が、安倍総理の『花見』に招かれて にこやかに懇談したり、大企業のCMに出たり、NHKで複数の番組を持つなどで、 切れ味が随分鈍くなっている。
風刺が鈍くなるだけなら別に見なけりゃ良いので、どうでも良い事かも知れないが、 その「爆笑問題」の太田光が、原発や戦争法案などで厳しく安倍晋三政権を風刺して いる アイドルグループ「制服向上委員会」 を冷ややかに批判したと云うから、 ただ事ではない!
ラジオ番組の中で、「あれ、やらされてるんだろうなぁ」 と憶測し、 「さすがにちょっと痛々しいよね」 と感想を述べ、相方の田中も同感したらしい。
「制服向上委員会」も敗けてはいない! 逆に、「私からすると安倍さんにゴマをすってる太田光さんの方が痛々しく見えます」 とツイッターで反論
日刊スポーツが、その経緯を記事にしていた。
制服向上委員会「ゴマする太田さんの方が痛々しい」 日刊スポーツ - 2015年7月6日14時34分 脱原発や人権など社会問題をテーマに活動している異色のアイドルグループ、制服向上委員会の斎藤優里彩(18)と斎藤乃愛(15)が、爆笑問題の太田光(50)の「痛々しい」というコメントに反論した。
同グループは、政治的なメッセージを積極的に発信する社会派アイドル。先月13日に神奈川県大和市で行われた市民団体「憲法9条やまとの会」のイベントでは、「諸悪の根源自民党」という歌詞の含まれた楽曲を歌い、同市がイベントへの事後の後援取り消しを検討する騒動へと発展した。
太田は先月30日深夜放送のラジオ番組「爆笑問題カーボーイ」(TBSラジオ)で、制服向上委員会について「あれ、やらされてるんだろうなぁ」と憶測し、「さすがにちょっと痛々しいよね」と感想を述べた。
太田の発言に対し、同グループのスタッフは、太田が今年4月に行われた安倍晋三首相主宰の「桜を見る会」に出席した際の画像をアップして「おもろい歌詞じゃんと思ってても、これだけ安倍さんに擦り寄ってたら、痛々しいと言うしかないよね」とツイート。そのツイートを引用したうえで、優里彩も太田に「私からすると安倍さんにゴマをすってる太田光さんの方が痛々しく見えます」とツイッターで反論。さらに乃愛も「メンバーは全員、自分の意思で活動しているんですよ♪」と明言した。

太田光が、制服向上委員会から「安倍さんにゴマをすってる方が痛々しい」と反撃された! Litera - 2015.07.05 「諸悪の根源、自民党」という歌詞の曲を歌ったことで、自民党市議から「政治運動だ」「名誉毀損だ」と圧力を受けたアイドルグループ・制服向上委員会。結局、この騒動では圧力をかけた自民党でなく、制服向上委員会のほうが自民党支持者やネトウヨから激しい非難を浴びる事態となった。
本サイトではこうした反応を批判的に紹介し、制服向上委員会を擁護する記事を掲載したが、この騒動では意外な人物が彼女たちを攻撃していたようだ。 そう、爆笑問題の太田光である。太田は6月30日深夜のラジオ番組「爆笑問題カーボーイ」(TBS系)で、彼女たちの政治的メッセージについて「あれ、やらされてるんだろうなぁ」と憶測を披露し、バカにしたように「かわいそうだよねぇ」とからかったのだ。相方の田中裕二が「歌っている映像見たけど、歌いたそうな感じじゃなかったよ」と相づちを打つと、太田は「あれはさすがにちょっと痛々しいよね」とも語っている。
この主張はまさに、報道直後からネトウヨやネトサポの「どうせ洗脳されているんでしょ」「大人に利用されているだけ」「女子供を利用するのは左巻きお得意の手口」という攻撃とほとんど同じものだ。
太田といえば、今年3月、普天間基地移設問題への対応をめぐって「安倍っていうバカ野郎」「私は個人的に安倍首相はバカだと思っていましたから」と安倍首相を罵倒しながら、翌月に、安倍首相主催の「桜を見る会」に光代夫人と一緒に出席。安倍首相から「一緒に写真を撮りましょう」と言われ、隣でおどけたポーズをとったあげく、「番組に出てください」などと依頼するなど、腰砕けっぷりを見せつけたばかりだ。
安倍と意気投合してネトウヨにでも転向したのか、と批判しようとしたら、それより早く、当事者が見事なツッコミをしてくれた。 太田に「痛々しい」と言われた制服向上委員会のメンバー・齋藤優里彩がツイッターでこんな一言を見舞ったのだ。 「私からすると、安倍さんにゴマをすってる太田光さんの方が痛々しく見えます」 さすが制服向上委員会。本サイトがいちばん言いたかったことを代弁してくれた。たしかに痛々しいのは、しがらみにがんじがらめになって、何も言えなくなってしまった太田光のほうだろう。
10年近く前、太田は雑誌やラジオで過激な政治的発言を連発していた。当時の右傾化の風潮を徹底批判し、靖国問題や教科書問題などにも切り込み、歴史認識についての中国や韓国の抗議を「内政干渉」とする国内の意見についても、正面きって批判していた。 「かつて日本人として戦場に行かされた人々がいる。皇民として生きることを無理矢理強要され、自分の国の言葉を奪われ、名前を奪われて戦場に行かされた人々がいる。その人々にとって日本の歴史は自分達の歴史であることに間違いはない。(略)自分の都合の良い時だけ、お前達は日本人であるとして、都合が悪くなると、外国人が干渉するなというのは、あまりに身勝手ではないか」(東京ニュース通信社「TV Bros.」連載『天下御免の向こう見ず』より) そして、日本国憲法については、「人類が行った一つの奇跡」と敢然と擁護したうえで、「私に愛国心があるとすれば、それはこの国の“この国は戦争をしない国であると、世界に宣言している部分”に注がれる」と言い切り、中沢新一との対談本『憲法九条を世界遺産に』(集英社新書)という著書まで出版していた。 ところが2006年、その太田の靖国についての言動に対し、右翼団体が太田の所属事務所に抗議活動を展開。警視庁が事務所に警備員を常駐させるように要請し、太田にも護衛をつける騒動となった。 そして、この右翼の抗議事件をきっかけに、太田の連載やラジオの発言から徐々に、憲法や歴史認識などを扱う機会が減り始め、07年ごろには、こういうイデオロギー的なテーマに触れることはほとんどなくなった。「TV Bros.」の連載もいつのまにか、社会批評でなく自分のヘタな小説や童話を発表する場になった。 先述した「安倍はばかやろう」発言はそんな太田の久しぶりの過激な政治的発言だったのだが、しかし、それも安倍支持者やネトウヨたちから「一介の芸人が総理をバカにするな」「この反日チョン芸人が」「一国の首相に対して名誉棄損だ」などと総攻撃を受けると、以後は一切沈黙。前述のように翌月、「桜を見る会」で安倍首相に尻尾を振る姿を見せつけたのだった。 そして、いま、安倍政権によって、憲法9条が最大の危機に瀕しているというのに、太田は安倍批判も安保法制批判も口にしないまま、ダンマリを決め込んでいる。かつて、「憲法9条を世界遺産に!」とまで言っていたあの思いはどこへいってしまったのか。不思議でしようがない。 まあそれでも、ただ沈黙しているだけなら、太田もトヨタのCMにまで出演するようになって、やっぱり仕事が干されるのがコワくなったのかねえ、とがっかりするくらいで、ここまでの怒りは感じなかっただろう。
しかし――。今回、太田は「一介の芸能人が政治に口を出すな」という世の中の空気に抗い、孤独な闘いを続けている勇気あるアイドルに難癖をつけ、足を引っ張ったのだ。しかも、かつて自分を批判した者たちと同じ、大人にやらされてるだけ、操られているだけという論理を身にまとって、である。 この太田の揶揄について、制服向上委員会は、やはりメンバーの齋藤乃愛が「メンバーは全員、自分の意思で活動しているんですよ♪」と軽くいなしていたが、太田は制服向上委員会のことをまったくわかっていない。彼女たちは政治的なプロテストソングを5年前から継続的に歌っており、歌だけでなくデモにも参加するなど、お遊びや一時の話題作りでやっているわけではないのだ。 というか、そもそも、「大人に操られている」のは、いまの太田のほうだろう。 本サイトでも以前指摘したことがあるが、太田が政治的発言をしなくなったのは、それこそ光代夫人にストップをかけられたからだった。 右翼団体に抗議された後、政治発言を続けようとする太田に対して、光代夫人が「家族や社員の命を晒して、なにが平和なの!」と激怒。売れない時代を支え続けてくれた光代に頭が上がらない太田が、泣く泣く方向性を転換したといわれている。 また、今年の「NHKで政治ネタをボツにされた」発言の際も、光代夫人が否定すると、太田も発言を撤回。「安倍バカ発言」も光代夫人は即座に「無礼です」「バカと言う言葉は、いけません」と火消しに走り始めると、太田は何も語らなくなった。 もちろん、光代夫人によるこうした太田の言論封じの背景にあるのは、商売上の問題だ。所属事務所のタイタンは、以前は爆笑問題の個人事務所でしかなかったが、いまは所属タレントも増え、事業の多角化も行っている。爆笑問題自体もさまざまなCMに出演している。太田が政治的発言をして炎上でもしたら、会社の経営に影響を及ぼしかねないのだ。そして、太田もそういう事情がわかっているからこそ、最終的には光代夫人の言うことを聞いて、どんどんおとなしくなっていったのだろう。 そういう意味では、まさに「大人の事情」に負けて、自分をなくしているのは太田のほうであり、炎上や脅迫、嫌がらせにも負けず、リスクも自身たちで引き受けている制服向上委員会のメンバーのほうがはるかに自立している。 もはや、太田光にはなにも期待することはない。ただ、自分が日和ったことを自覚して、闘う者の足を引っ張るな、ということだけは言っておきたい。 (酒井まど)

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