2014年8月10日(日)
現存する博多の映画館では最も歴史のある 「中洲大洋劇場」 が、 興行的には比較的マイナーな映画を積極的に取り上げていて好感を持てます。
この映画 【あいときぼうのまち】 は、そのひとつです!

現在、この映画以外にも、次の映画が 唯一 中洲大洋で上映されています。
【坑道の記憶 炭坑絵師・山本作兵衛】 8月15日終了予定
【朽ちた手押し車】 8月15日終了予定
【こっぱみじん】
【革命の子どもたち】
私は今日、朝10:20から、【坑道の記憶 炭坑絵師・山本作兵衛】 を見た後、
11:55~上映された、【あいときぼうのまち】 を見ました。

この映画は、福島県での核開発と原子力発電所についてのおよそ70年間の話し。
まず、1945年 太平洋戦争敗北直前まで、『新型爆弾』を造る為にウラン原石を 砕石場で採掘させられている主人公の男子高校生と指揮監督する軍隊中堅幹部のエピソード。
次に、1966年 福島原発を誘致するに当たっての地元の反対派と 賛成派の確執。 しかし、反対派は主人公の女子高校生の父一人だけである。
最後に、2011年震災前から2012年震災後 の流れ。
この3つの時代のそれぞれの主人公の男子高校生や女子高校生や父や祖母の 親子関係が、映画が進むに連れて少しずつ解ってくるが、実は中々難しい。
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映画は、冒頭まだ健全な?福島原発の遠景を映し出し、1号機が爆発してキノコ雲を 吹き上げる様を実写を利用して映し出します。 この映画が訴えたいことを象徴的に示すものです。
1945年、アメリカが原子爆弾開発に成功する前に、理化学研究所(あの小保方さんの理研?)が 一発でニューヨークを壊滅させる『新型爆弾』の開発を進めていたことが明らかにされます。 しかし、採石場の監督の軍人は日本が近いうちに敗北するであろうことを察知しているクールな 考え方の持ち主で、『新型爆弾』は成功しないと男子高校生に語ります。 手作業での砕石ですが、500トン以上採石して500kgのウラン235を抽出し、それから ようやく一発の『新型爆弾』ができるとも語り、途方も無いことを暗に示唆する。
それから21年、1966年の福島。 原発立地計画地で立ち退きを求められているが 原発に反対している父と高校生の娘、そして賛成派の男子高校生との恋愛。 朝ドラ『あまちゃん』で有名になった、潮騒でのワンシーン「その火を飛んでこい」が 微笑ましいエピソードに・・・ 当時の映画の吉永小百合とか浜田光夫とかの名前も 出てきて・・・ そのあと二人は性的関係を結ぶのですが ・・・ 原発に反対している父親は、昼から 『やけ酒』 を飲んでいる人物として否定的に 描かれています。
2011年、『潮騒のエピソード』の二人は61歳になっていて、それぞれ別の家庭を 持っているが、facebook での交流で再会し、ホテルに行ってしまう 所謂不倫関係に・・・ そのデイト中に海岸で 【311】 に遭遇。 避難者の子どもや老人を援助している途中で津波に飲み込まれたらしく犠牲に。
2012年、祖母を 【311】 で亡くした 主人公の女子高校生は、東京に出ているが、 日銭を稼ぐために、いわゆる「援助交際」で売春している状況。 これでは、福島から避難している若い女性は売春して生活しているかのように誤解 されてしまうのではないか? と疑問に思いました。 しかし、この映画でわざわざ描いている処を見ると一面の事実ではあるのでしょう。 なお、このシーンは映画の最初の方で紹介され、その女子が全裸で真正面から映る と云う演出が行われていますが、『如何にも』のシーンで不要なシーンと思います。
多くの人々に見ていただきたい映画ですが、上記のような表現がありますので、 青少年にはお勧めできないのが残念な処です。
観客は、私のような中高年者を中心に40人ほどでした(数えた訳ではありません)
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さて偶然にも、この映画に主役級で出演している、夏樹陽子さんの舞台挨拶に遭遇。
夏樹陽子さんも、「監督や脚本家と意見は異なるが、無くても良かったシーンが幾つかあり 子ども達も含めて見て頂きたいのに、ふさわしくない処がある」 と話されました。
その挨拶の最後に、是非多くの方に、この映画を広めて欲しいので写真OKですよ~! と言われると、それまで遠慮していた多くの方が携帯写メを撮り始めました。 私も!

何枚か撮りましたが、暗いこともあり映りが悪くて・・・
終演後は、夏樹陽子さんが、この映画の挿入歌などを収録したCDや、福島のレポートなどの サインセールが行われ、私もCDを購入しサインして頂きました。 おまけにツーショットの写真を撮りましょうと促されて・・・ 下の写真の右側に私(削除)

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【あいときぼうのまち】 公式サイト
【女優 夏樹陽子】 公式サイト
【夏樹陽子】 facebook
【夏樹陽子】 Twitter 夏樹陽子 @yokonatsuki 女優 夏樹陽子: 本日10日福岡中洲大洋11:55上映後と15:00上映前、舞台挨拶に ❗️ http://fb.me/2n5b36Fur
【女優 夏樹陽子】 公式ブログ 2014年8月10日日曜日
本日10日福岡中洲大洋11:55上映後と15:00上映前、舞台挨拶に❗️ [あいときぼうのまちまち] 舞台挨拶出演します。 台本見ずに引き受けた訳、福島の地元の方の映画を見ての感想は?等々。 裏話は元より、地元中学生の野球部の皆さんの協力、実際に地震にあった方達の話など、皆さんにお聞き頂きたく思います。 1番のメッセージは、この事実を忘れないでいて欲しい事、今の幸せを大切にして欲しいことです。 では10日、中洲大洋でお会いしましょう❗️ 夏樹陽子
【Movie Walker】 による作品紹介 原子力政策に4世代約70年に渡り翻弄される家族を通し、日本の歩みを描いたドラマ。ウラン採掘に駆り出される1945年、原発建設に揺れる1966年、震災が起きた2011年、そして2012年と時間軸を交差させながら、彼らの挫折や希望を映し出す。監督は「コンクリート」や「自殺マニュアル」で脚本を手がけた菅乃廣。菅乃監督は福島県出身であり、父親が他界前に遺した、この奇病は昔原発で浴びた放射能が原因かもしれないという言葉をきっかけに本作を制作。脚本は「戦争と一人の女」の監督・井上淳一。出演は「五日市物語」「新・女囚さそり 特殊房X」の夏樹陽子、「青木ヶ原」「ブルークリスマス」の勝野洋、「泥の惑星」の千葉美紅、「さまよう刃」の黒田耕平ほか。
製作年 2013年 製作国 日本 配給 太秦 上映時間 126分
【あらすじ】 1945年、福島県石川町。学徒動員で駆り出された英雄は、何の目的もなくひたすらウラン採掘に精を出していた。 1966年、福島県双葉町。最後の一人になろうとも原発建設に反対する英雄だったが、一家は周囲から疎外され、娘の愛子を雇うようなところは一つもなかった。愛子と恋仲だった健次が作った「原子力明るい未来のエネルギー」という原発推進標語が受賞、二人の間に距離が生まれていた。 2011年。健次は親子二代に渡り東京電力に勤めていたが、息子は癌により他界。愛子はそんな健次と再会を果たすが、愛子の孫娘・怜に二人の関係を知られる。 2011年3月11日、東日本大震災が発生し、福島県南相馬市に暮らす一家に津波と原発事故が襲いかかる。すべてを失った怜は、街の灯が戻りつつある東京をさまよっていた……。
【キャスト・スタッフ】 配 役 : 役 名 (年代) 夏樹陽子 : 西山愛子 (2011年;西山 怜の祖母) 勝野 洋 : 奥村健次 (2011年;西山愛子の45年前の恋人) 千葉美紅 : 西山 怜 (2011年;西山愛子の孫) 黒田耕平 : 沢田 (2011年;義援金募金詐欺をする青年) 大谷亮介 : 西山 徹 (2011年;西山愛子の夫、怜の祖父 ) 大池容子 : 草野愛子 (1966年;西山愛子の少女時代) 伊藤大翔 : 奥村健次 (1966年;少年時代) 大島葉子 : 草野弥生 (1966年;草野愛子の母) 沖 正人 : 草野英雄 (1966年;草野愛子の父) 杉山裕右 : 草野英雄 (1945年;少年時代) 里見瑤子 : 草野芙美 (1945年;草野英雄の母) 笠 兼三 : 学徒動員の教師 (1945年) 瀬田 直 : 加藤久司 (1945年;ウラン採掘場の指導監督軍人)
監督 菅乃廣 脚本 井上淳一 エグゼクティブプロデューサー 鈴木直之 プロデューサー 倉谷宣緒 撮影監督 鍋島淳裕 美術 鈴木伸二郎 音楽 榊原大 主題曲/主題歌 坂本龍一 録音 土屋和之 照明 三重野聖一郎 編集 蛭田智子 衣裳デザイン 佐藤真澄
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