2014年5月10日(土)
観客は比較的多くて、見た感じ・いつもの2倍以上。 70~80人ほど。
主役のミミ役の元のキャストが急病で、その日の朝にメールしてきて降板したため、 前日のマチネで 同じくプッチーニの 【蝶々夫人】 の主役を演じたばかりの クリスティーヌ・オポライスが急遽代役を勤めたが、最終幕まで立派に演じていました。

元キャストがMETの総裁(P.ゲルブ)に連絡してきたのが、公演当日の朝7時半! クリスティーヌ・オポライスが代役を依頼されたのが、直後の朝8時。 代役を即答したそうでえすが、前日のマダム・バタフライ終演から18時間を経ずして ミミを演じることになるそうで、MET始まって以来の歴史的快挙とのこと。
クリスティーヌ・オポライスは、公演後は興奮して寝付けないのでバタフライ終了後 眠りについたのは、翌朝(すなわち代役当日)の5時ころで、2時間ちょっとの睡眠を 叩き起されたそうです。
MET総裁のP.ゲルブが開幕前の観客にこの非常事態を説明し、暖かい目で見て頂くよう お客様にお願いしました。
終演後のカーテン・コールでのクリスティーヌ・オポライスに対する観客の拍手と 大歓声による賞賛は、まさに怒涛の如く! と云う感じでした。
マイクを使用する「ミュージカル」では、連日歌ったり、マチソワで1日2回歌う ことも常識ですが、生声で3千人収容のMETの天井桟敷まで行き渡らせるオペラ歌手は 『連投』は、有り得ないことのようです。 それも、演目違いで、膨大なイタリア語の歌詞とメロディを覚えなくてはならない のですから。 オポライスは、おそらく過去にミミを歌ったことはあるのでしょうが、全て覚えている 訳でもないでしょうし、その上、演出に従った動きや表情も表現しなかればならず・・・
全く、何処も破綻せずに歌いきったのは、流石です!
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さて、その演目の御紹介ですが・・・
前半は喜劇的要素も大いに入った HAPPY な物語。 ロドルフォ (ヴィットーリオ・グリゴーロ) の住む屋根裏部屋に、ロウソクの火を 借りに来た、同じ借家の別の部屋に住む ミミ (クリスティーヌ・オポライス)。
 お互い素性も全く知らないのに、その場で『一目惚れ』の相思相愛! ありえる??? (そこまでが第一幕。30分ほどの短い幕)
ロドルフォの友人たちも冷やかし半分に祝福し、みんなで居酒屋に出かける(お金無いのに) (居酒屋シーンのここからが第二幕) 休憩は無いが十数分の幕まで大掛かりな舞台転換(MET Live ではその舞台裏の転換が見られる)
その第二幕では、合唱団と共にエキストラ百名以上が登場し、それぞれ市民の姿態を表現。
 第二幕エンディングでは、出演者全員が観客に向けてアピール
この場では、もう一人のヒロインムゼッタ(スザンナ・フィリップス)が登場。華やかなシーンです。
 ムゼッタは、スザンナ・フィリップスの当たり役だとか・・・ 確かにハマってる!
第三幕は、打って変わって淋しい雪世界。 雪もずっと振り続けています(手動操作とか)
 訳あって、ロドルフォ と ミミ の『別れ話』に。
そして、第四幕では、再び屋根裏部屋に
ミミは、当時は『不治の病』であった結核で、みんなに見守られながら若い生命を落とします。
 嘆く ロドルフォ。
と、そういう話しです。 プッチーニの歌劇の結末は、悲劇が殆どのようです。
(上の画層は、公式サイトより コピペ)
MET Live 『ラ・ボエーム;La Boheme』 公式サイト より 作品紹介 【あらすじ】 クリスマス・イヴの夜にパリの屋根裏部屋で出逢った、貧乏詩人とお針子の青春の悲恋!アリア〈冷たい手を〉〈私の名はミミ〉など美しい旋律満載の名作が、METの誇るF・ゼフィレッリの豪華プロダクションで甦る。カルチェ・ラタンのにぎわいを再現した第2幕は必見!誰もが涙する儚い恋の物語を、人気急上昇のイタリアン・テノール、V・グリゴーロらフレッシュなスターたちがつづる。
19世紀半ばのパリ。学生街カルチェ・ラタンの屋根裏部屋で共同生活を送る、詩人のロドルフォと画家のマルチェッロは、将来を夢見て仲間と貧乏生活に耐えている。クリスマス・イヴの夜、ひとり残ったロドルフォのところに、同じ屋根裏に住むお針子のミミが火を借りにやってくる。一目で恋に落ちた二人は一緒に暮らし始めるが、ミミは不治の病にかかっていた。貧しい我が身では彼女の薬も買えないと、ロドルフォは別れを決意するが・・・。
【スタッフ・キャスト】 指揮:ステファーノ・ランザーニ 演出:フランコ・ゼフィレッリ 出演: 配 役 (役 名) ヴィットーリオ・グリゴーロ(ロドルフォ)、 クリスティーヌ・オポライス(ミミ)、 スザンナ・フィリップス(ムゼッタ)、 マッシモ・カヴァレッティ(マルチェッロ)、 パトリック・カルフィッツィ(ショナール)、 オレン・グラドゥス(コルリーネ)、 ドナルド・マックスウェル(ブノア) ※当初、ミミ役を歌う予定だったアニータ・ハーティッグは 風邪のため降板となりました。ご了承ください。
演奏:メトロポリタン歌劇場・管弦楽団 合唱:メトロポリタン歌劇場・合唱団 エキストラ:合唱団とは別に百名以上、馬1頭。
上映時間:4幕;2時間54分(休憩2回) MET上演日:2014年4月5日 言語:イタリア語
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《ラ・ボエーム》キャスト変更のお知らせ
《ラ・ボエーム》にてミミ役で出演予定だったアニータ・ハーティッグが体調不良のため、急遽降板となりました。代わりに、クリスティーヌ・オポライス(Kristine Opolais)が代役を務めます。ご了承ください。
(Kristine Opolais) METやウィーン国立歌劇場、ロイヤル・オペラ・ハウスなど世界の主要歌劇場で、新世代のプッチーニ歌いとして躍進中のソプラノ。1979年生まれ、ラトヴィア出身。 2010-11シーズンにミュンヘンで《ルサルカ》、コヴェントガーデンで《蝶々夫人》を歌い大評判となる。 2012-13シーズンに《つばめ》マグダ役を歌いMETでデビューを飾り、 同年ウィーンで《ラ・ボエーム》ミミ役を歌う。 今シーズンはMETで初めて《蝶々夫人》を歌い、6月にはコヴェントガーデンでヨナス・カウフマンを相手役に《マノン・レスコー》で題名役を務める予定。 今後のさらなる飛躍が期待される注目の若きスターソプラノ(34才)。

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テーマ:クラシック
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