2013年12月15日(日)
福岡発 地域 『オペラ』 と表現したのは、
もちろん NHK の 福岡発 地域 『ドラマ』 のオマージュ!
寧ろ、博多発 地域 『楽劇』 と言っても良いような
ワーグナーばりの 超長~ーい! 4時間半の演目
博多座12月・市民桧舞台
【おもしろきこともなき世・・・おもしろく 望東尼】(以下、【望東尼】と略)

ワーグナーの『楽劇』は、長いので有名。 中でも4夜に亘る楽劇【ニーベルンクの指輪】は特別! 最終夜の 『神々の黄昏』 だけでも、正味4時間半ある。
ところが、この 【望東尼】 も休憩を含まない正味で4時間半 1回の休憩(20分)を入れると、5時間近い大作です。
しかし、いつも演劇などでは、第一幕に眠気がくることが多い私も眠くならずに見た と云うほど、興味深く舞台転換も頻繁で、退屈させない構成で、題材も良かった。
歴史劇としてもエンターテイメントとしても良く出来た作品でした。
「福岡文化連盟」主催なので、各団体の発表会的な要素は致し方無いと思います。
役柄は、殆ど幕末に実在した人物の実名、そして現在の実在の演者たち。
内容的にも 『楽劇』 と呼んでも何ら問題ない音楽有りダンス有り演劇有り 謂わば「ちゃんぽん麺」みたいな『ごった煮』状態。 博多の芸どころ“総結集”の感あり。
音楽の方は、もちろんヨーロッパのクラシックではありませんが(一部使用している) 日本や琉球や中国や朝鮮の『クラシック音楽』 が、次々と出てきます。 三味線・琴・筑前琵琶・尺八,琉球琴・三線(さんしん),二胡,名は解らないが朝鮮民族楽器 そして、それぞれに伴う歌唱。
ダンスの方は、日本舞踊、剣舞、ヒップホップ、モダンバレエ、クラシックバレエ、 バトントワリング、タップダンス。 中には大衆演劇風日本舞踊とバレエのパ・ド・ドゥも。
クラシックの方でもバ-ンスタインのオペラ【ウエストサイド物語】ではマンボやロック、 ガーシュインのオペラ【ポギーとベス】ではジャズが使われてるので、
博多発 地域 【楽劇・望東尼】 に、上記のような 地域の芸術・芸能活動に根ざした音楽やダンスが入るのは結構なこと。
とはいえ、制作や台本や演出や出演者(数百名)のスケジュール調整等など 諸準備は、大変だったことと思います。 関係者の皆さまお疲れ様でした。
ストーリーは、以前このブログで紹介した ので、そちらを見て頂くこととして、今日は その芸どころが、どのような分野からであったかを紹介します(順不同)
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まずは、【演劇の部】
主役の野村望東尼 に KBCの「アサデス」のMCを勤める 福岡では有名な 徳永 玲子さん 高杉晋作に 無名の 春川 研さん。 私が唯一知っている出演者・玄海椿さんは、瓦版屋。 演劇部分だけでも出演者三十数人の大所帯。 皆さん台詞も殆ど落としたり間延びしたりすることなく順調にこなしていました。 瓦版屋は、謂わば時空を超えて出現し、時代背景や事件を解説する役回り。 しかし、望東尼に関するストーリーそのものを語る訳では無いので、 『狂言回し』とはちょっと違う位置づけのようでした。

つづいて【歌舞音曲の部】 (プログラムには「コラボレーション芸能」と紹介) 演劇の背景に流れる音楽(BGM)は、別取りの録音の模様。 そのBGMとは別に、劇の流れを中断する形で(つまり舞台転換の時間を使って?) 芸どころが次々と舞台転換ごとに出演して披露すると云う形。
冒頭から「筑前琵琶」が出現。4名の演奏と唄。
三味線伴奏の民謡風歌唱
日本舞踊(西川流) 「高砂」
中国・二胡:趙国良(有名な方らしい)
「筑前琵琶」 独奏:こちらは超絶技巧版(冒頭とは格段にレベルが違う)
韓国・民族楽器の伴奏による「仮面劇」
ベルディ作曲「レクイエム」の『怒りの日』によるバレエ群舞 バトントワリングも取り入れられていた。 関係性が解らなかったが、当時九州を襲った大震災・津波を表現していたらしい。 (と言うのは、瓦版屋が、この群舞のあと、背景説明をしたので)
バレエ(女性)と日舞(男性)による パ・ド・ドゥ 振り付けはバレエの方による。 なので?日舞は大衆演劇風に見えた(笑)
箏曲 確か4・5棹による合奏だった。
琉球琴・三線の伴奏による琉球舞踊
日本舞踊(藤間流) 女性二人による舞踊 (意味不明)
日本舞踊(花柳流)と三味線(杵屋社中)
新選組を表現した群舞 歌劇団「エトワール」(宝塚・SKDもどき?)
吟詠(詩吟) と 剣舞
尺八・独奏 相当上級者とみた!(師範とのこと)
吟詠 (大勢による詩吟)
ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」第4楽章による群舞 なんと、第4楽章の殆ど(極一部のみCut)全部を流してモダンバレエ的群舞が続く こんなに長~い時間(約10分間)を費やす必要があったのかどうか不明だが・・・ この曲が終わったところで、幕切れかと思うような演出だったが、まだまだ続く。
「ええじゃないか」による『博多どんたく』的集団民舞 (百名近いかも?)
子どもたちによる「タップダンス」 関係性不明。 意味解らん。
出演者全員「ええじゃないか」に加わり 【望東尼】 終幕

再び幕が開くと、取ってつけたような尾形大作ショート歌謡ショー 「高杉晋作」「吉田松陰」の2曲 (まぁ関係は無きにしも非ず)
(以上、表紙・広告も含めて26ページもある立派な公演パンフを参考にしました。)
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以下は、公式サイトなどより引用
福岡市民芸術祭50周年記念クロージング公演 博多座「市民檜舞台の月」公演・第8回福岡文化連盟祭り 第21回ふくおか県民文化祭2013
『おもしろきこともなき世・・・おもしろく 望東尼』
2013年12月15日(日)
博多座 | 〒812-0027 福岡県福岡市博多区下川端町2−1
日時/12月15日(日) ①11:00開演(10:00開場) ②16:45開演(16:00開場) 会場/博多座
主演/徳永玲子
総監督/舟越 節 脚本・演出/田中 はくどう 監修/安部龍太郎

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テーマ:観劇
- ジャンル:学問・文化・芸術
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