2012年2月24日(金)
【福岡市拠点文化施設基本構想(案)】 に対する
私の「パブリック・コメント」の続きです。

④ 創造支援施設
稽古場、練習室の他に、発表の場としても使用可能な大ホールのアクティングエリア同等の広さを持つリハーサル室が必要であると考えます。
これら稽古場、練習室、リハーサル室は、床面のみダンス・バレエなどに対応したクッションフロアとし、壁面の直交2面の一部は鏡張り、天井は鉄管グリッドとして多機能性を持たせてください。なお、各室ごと及び主たるホールとの遮音は極めて重要です。
また、コーラス・歌唱など生声の稽古場は、壁・天井も仕上げ、適度な反射音が返ってくるようにしてください。
「衣装や舞台美術、音響・映像などの各種制作室を整備することも検討します」との高い理想の御提案に感謝します。 これらは、新国立劇場クラスの本格的劇場に設けられているだけの画期的な取り組みです。
なお、楽屋の配置(各ホールごとの独立性を一定保ちながら、状況により流用できるような合理的配置)と各室の大きさ、楽屋内電源・内線・LAN等の機能、演目により多数出演の場合などに会議室等の流用などの際の動線の検討、トイレの配置など裏方の諸室に関しても多くの検討事項があります。
⑤ その他の施設・設備
非常に積極的な位置付けに感銘を受けています。
・15ページ目について:
Ⅴ―1:指定管理者制度で、機械的に業者を選定したばかりに、ホール運営が無茶苦茶になっている事例を良く聞き及んでいます。 取分け、3年や5年で実績が上がらないからと業者を変更することで、ますます使用する市民から不満の声が上がっているようです。 また、全く異業種からの参入により、舞台運営のイロハも知らない業者が、ただ利益をあげるためだけに参入してきたりして、現場は非常に混乱していると聞いております。
ただし、それらは全国での事例であって、福岡市がそうであると言っている訳ではありません。
この度の御提案では、これら全国での否定的な経験も踏まえて、 「指定管理者制度による運営の場合でも、単なる施設運営管理という考え方で指定管理者を決定するのではなく、福岡市の文化施策の方針が十分に運営に反映される組織体を指定管理者とすることが求められています。」と記述して、直営での管理の余地も残しながら、 「拠点文化施設の運営においては、高度な専門性が求められ、専門職員の継続的な雇用や運営で得られた蓄積が必要となります」との的確な御指摘がされています。 これらを考慮すると、「指定管理者」ではなく、専門性を教育された人材の採用を前提とした「直営方式」を採用するべきだと考えます。
Ⅴ-2:①から③のそれぞれの観点について御提案に賛成します。
この提案にも書かれているように、これら全てのホールや諸室、諸設備を管理運営するのには、多くの人材を育成する必要があり、柿落とし前に、人材育成するには直ちに取り掛からなければならないでしょう。 その際に意志ある地元の文化活動関係者を積極的に採用・養成すべきだと考えます。 幸い、九州大学・芸術工学部大学院でHME(Hall Management Engineer)養成講座を実施しておられるようです。 そういう文化活動団体や教育機関との連携も今後活用できると思われます。
なお、工事段階では、全体をゼネコンが取りまとめるのは仕方ないにしても、それぞれの業種においては、実績も検討の上で、地場業者を優先するようにするべきだと考えます。
基本構想(案)全体を通じて、この種の提案には必ずと言ってよいほど付きまとう「受益者負担」という用語を見なかったことにも、福岡市の創造の場を地方自治体の責任で創設すると云う意欲的な観点を拝読いたし、感銘を受けています。
以上で、パブリックコメントを終わります。
福岡市による立派な基本構想の御提案に敬意を表します。
お読み頂きましてありがとうございました。
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