2012年2月23日(木)
【福岡市拠点文化施設基本構想(案)】 に対する
私の「パブリック・コメント」の続きです。

② 中ホール
「500人から1000人規模のホールが特に不足している」と書かれていますが、各区の市民センター・大ホールは、ほぼ500席前後であり、ももちパレスや南市民センターは800人規模ではなかったかと存じます。したがって、ホール数として不足しているというよりは、一部で老朽化が進み、設備面で使用者の期待に沿えない、または市民の需要に対して不足しているということではないかと思います。 もちろん、拠点施設に600人から800人規模の中ホールを設けることには大賛成です。 但し、客席収納人員が中規模だからといって、舞台の装備が中途半端なものにならないようにしていただきたいと要望します。現状の市民センターレベルでは貧弱すぎます。 規模は全く異なりますが、新国立劇場でも中劇場はその存在の要であり、機能的にも大ホール同等のものとなっています。
(下図は新国立劇場・中劇場)

福岡市には、「Performing Arts に適したホールはありません」と御認識されているようですので、それ相応の設備を装備されるものと期待します。 おそらく、使用頻度も大ホールよりも高くなると思われますので、前に述べたように欧州の技術も選択の範囲として最新の技術を導入するべきだと思います。 また、大ホールと同規模では無いにしても、舞台迫り、スライディングワゴンなどの装備も必要です。 (次ページに続く) ******************************** 参考情報: 最大収容人員 新国立劇場;1038、 愛知県立劇場;中ホールなし、 兵庫県立芸術文化センター;800、 びわこホール;804
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③ 小ホール
200席から300席のパフォーマンス・スペースは、多くの地元演劇人や演劇やダンス等を趣味とする人々や学生の間で望まれていることで、極めて適切な提案だと考えます。 演目の実験性や新規性、創造活動にも使用できる多機能なものが求められます。 平土間を基本とするコンセプトには賛成です。舞台を多様に使うという面から、ホールの半分までを舞台として使えるようにし(その際は200人収容)、舞台部分を昇降式乃至は、可動パネル式として、自由に設定できるようにするべきです。 舞台下から出演するという演出にも対応できるようにするためには、舞台の下部は堀込み、舞台床面下に3m程度の高さのスペース(奈落)を設けるべきでしょう。 (参考事例:福岡キャナルシティ劇場の舞台部分) 舞台と客席は区分せず共通の空間とし(参考事例:アクロス福岡イベントホール等)、天井や壁は仕上げを貼らず、全面鉄管グリッド製とし、どこにでも何でも(照明・スピーカー・背景・装飾・幕など)吊れるようにしたほうが良いと思います。 音響的にはライヴ(残響時間長め)を基本とし、カーテンや舞台装置・ハリボテなどで残響調整を行えるようにしたほうが良いと考えます。というのは、あまり吸音的仕様にすると生声の際に演者が声を潰す可能性があるからです。 ダンスやバレエの基礎訓練や振付確認等のために、いずれか直交する2面(全面でなくても良い)に大面積の鏡を設置し、障子や幕などで不要な際は隠せるようにしてください。
********************************* 参考情報: 最大収容人員 新国立劇場;468、 愛知県立劇場;330、 兵庫県立芸術文化センター;417、 びわこホール;323 (但し、兵庫、びわ湖では、小ホールはリサイタルホール)
本日は、ここまで(約2/3)。 また、追って御紹介します。
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【福岡市拠点文化施設基本構想(案)】 に対する 私のコメント その6
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【福岡市拠点文化施設基本構想(案)】 に対する 私のコメント その3
【福岡市拠点文化施設基本構想(案)】 に対する 私のコメント その2
【福岡市拠点文化施設基本構想(案)】 に対する 私のコメント その1
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