2011年 1月 8日 (日)
MET・オペラ レビュー Handel 【Rodelinda】 を
上映開始初日の昨日 1月 7日(土) に見ました。
 (舞台装置は、ワゴンによる横スライド方式で、休憩時間に全部入れ替え)
しかし、半分以上 寝ていたようです。 前日は6時間は寝ていて寝不足ではないのですが・・・
やはり、バロック・オペラという特性のせいでしょう。 ハッキリ言って退屈このうえない。
何しろ、当時の「貴族の宴会」のサイドメニュー(余興)のようなものだったのでしょうから
休憩2回を含めて上映時間4時間超という長丁場ですが、セリフ(歌詞)だけを述べれば
おそらく30分も掛からないような短い内容。
幕間の出演者インタビューでもインアタビュアー(デボラ・ヴォイト)や複数の歌手が
述べていましたが、短い歌詞の繰り返しが多く、どのセリフ(歌詞)もシツコク繰り返される
のです。

歌詞を見て、うっかり居眠りをした後、5分以上経って目覚めても同じセリフの歌が続いている。
それも、短い歌詞の一つの単語を一度歌ったら、その単語なりフレーズの最後の音をヨーデルの
ように、母音だけで長らく歌い続けるのです。
(この映像で、『母音だけで歌い続ける』雰囲気が少し解るかも・・・)
『コロラトゥーラ』(色どりのある歌い方)と云うそうですが、歌手の技量の見せ処では
ありますが、見ている方にとっては、寧ろ退屈を越して『苦痛』
それこそ、短歌ほどの短い歌詞ひとつで5分以上も歌い続けるのですから・・・

その上、男声主役二人は、二人とも『カウンター・テナー』という女声のような声の質。
耳慣れない私には、気持ち悪い・・・
何しろ、ヘンデルの時代には『カストラート』という去勢された男性が歌っていたほどですから。
(その『カウンター・テナー』という女のような声が少し解るかも・・・)
タイトルロールのロデリンダを演ずるのは、現在最高の歌姫の一人 ルネ・フレミング。

まぁ、歌詞の繰り返しという退屈さが眠気を誘ったというか、しばらく寝ていても話は進まない
だろうという油断が眠気を誘ったのか・・・
久しぶりに無駄な買い物をしたという雰囲気です。

MET LIVE Handel 【Rodelinda】公式サイトは、ここをクリック
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観客は30人ほど。
福岡 福岡中洲大洋 092-291-4058 10:00〜 で、1月13日まで上映中。
その他の演目のスケジュールは、ここをクリック
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MET LIVE Handel 【Rodelinda】公式サイトから、解説 【あらすじ】 7世紀の北イタリア、ランゴバルト王国。ミラノ王ベルタリードの妃ロデリンダは、夫が戦に敗れて亡くなったと聞いて悲しんでいる。新王グリモアルドはロデリンダとの結婚を望むが、彼女は受け入れない。だが死んだはずのベルタリードがロデリンダの前に現れ、再会を喜んだのもつかの間、グリモアルドに見つかってしまい死刑を宣告される。引き離される間際に、今生の別れと思った二人は愛を誓うが・・・。
【解 説】 今、欧米でいちばん「旬」なオペラ作曲家、それがヘンデルだ。古楽ブームに乗ってバロック・オペラの得意な演奏家が増え、ヘンデルの華麗な魅力が再発見されている。 中世の北イタリアを舞台に、愛と欲望がせめぎあう《ロデリンダ》は、ヘンデルの最高傑作のひとつ。METの女王R.フレミングの希望により、2004年にS.ワズワースの演出でMET初演された。そのプロダクションが、待望の再演となる。世界最高のカウンターテナー、A.ショルにも注目したい。歴史絵巻を飾るバロック風の衣装も見もの!
【みどころ】 METライブビューイング初のバロック・オペラ、ヘンデルの《ロデリンダ》がいよいよベールを脱ぐ。 かつては、一部の例外的な作品を除いて、古典派以降と相場が決まっていた一流歌劇場での上演作品。バロック時代にも大きく花開いていたオペラ文化の遺産は「退屈なもの」とみなされていた。しかし、作曲当時の楽器や語法を用いて演奏する古楽ムーヴメントの興隆によって、意識が大きく変化。バロック時代のオペラにも音楽的な襞(ひだ)があり、登場人物の細かな機微を表現し、現代人の心に訴えかける力を持つことが証明されたからだ。 ここ四半世紀で、多くのバロック・オペラが復権を果たした。それどころか、新しい発想での演出など現代のステージ手法によって、おそらく作曲家や脚本家自身さえ想像し得なかったほど、さらなる芸術的な可能性が与えられたのだった。
指揮:ハリー・ビケット 演出:スティーヴン・ワズワース 出演:ルネ・フレミング、ジョセフ・カイザー、 ステファニー・ブライズ、アンドレアス・ショル

【追加情報】 有名な「ハレルヤ」を擁するオラトリオ《メサイア》で知られるヘンデル。実は、生前にはオペラ作曲家としても大変な“売れっ子”で、パスティーシュ(他作家の楽曲を寄せ集めて再構成した作品)を除いた純粋な作品だけでも、40作以上を数える。7世紀イタリアの小国を舞台に、夫婦の高潔な愛と赦しを描く《ロデリンダ》。次々に繰り出される素晴らしい名旋律の数々には、耳が釘付けにさせられる。事実、音楽史家のジョン・ホーキンズ(1719~89)は「1曲として、凡庸なアリアはない」と批評。このようにロンドン初演時から大好評だったが、特にタイトルロールの衣装が反響を呼び、同様のファッションが女性の間で大流行する社会現象に。2ヵ月足らずに14回も再演されたことからも、その熱狂ぶりがうかがえる。ちなみに1920年、ヘンデルのオペラとして、実に166年ぶりにドイツで蘇演されたのも、他ならぬ《ロデリンダ》であった。
2004年のMETでのプレミエでも大反響を巻き起こした、今回のプロダクション。前回と同じく、アメリカが誇るソプラノの女王ルネ・フレミングが、タイトルロールを演じる。圧倒的な美声は言うに及ばず、幕開け直後の「私は愛しい夫をなくしてしまった」での嘆きや、第2幕の「戻ってきて、私の愛しく優しい宝物」の希望への光など、アリアに託された心理描写をつぶさにすくい上げるのはさすが。幕間のインタビューで、作品への思い入れを熱く語る彼女の表情にも注目されたい。そして、世界最高のカウンターテナー(男声アルト)、アンドレアス・ショルが演じるベルタリードも、実に魅力的。いま欧州では骨太なカウンターテナーが次々に登場しているが、妻への愛と疑念の間で揺れ動く、繊細な心理を巧く表現し尽くせると言う点で、彼を凌ぐ歌い手は現れていない。
他にも、レチタティーヴォ(叙唱)の部分でのチェンバロも担当する、イギリス古楽界の実力派ハリー・ビケットのシャープな音楽創り、ヘンデルと同時代の18世紀へと大胆な翻案を施すことで、物語と音楽の距離をぐっと縮めて見せたスティーブン・ワズワースの上質な舞台づくりと、この佳品オペラの魅力を倍加させる仕掛けは盛りだくさん。「オペラは大好きだけれど、バロック・オペラはまだ観たことがない」という向きにこそ、ぜひご覧いただきたいステージ。まったく新たなオペラ体験との出逢いが、お約束できよう。
寺西肇(音楽ジャーナリスト)
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