2011年12月26日(月)

劇場公開3日目の12月25日、午後9時半から上映の時間帯に
【聯合艦隊司令長官 山本五十六 ―太平洋戦争70年目の真実―】
を見ました。 観客は僅かに10名弱。
当時の日本軍内で数少ない平和主義者 「山本五十六」 として一貫して描かれています。
 (画像挿入場所は、必ずしも本文と一致していない場合があります)
時代は、国民をも狂気に巻き込み、戦線拡大を主要な新聞社が扇動し、国民がこれに載せられ、
一杯飲み屋の常連客も好戦的で「山本五十六」を「柔軟だ」と非難します。
日独伊三国同盟に突き進む風潮が、新聞を通じて国民に伝染し、「三国同盟」と云う
『バス』に乗り遅れるな! という主張が時流(トレンド)となっています。
内閣総理大臣は次々と代わり、5年間に10人以上という状況。
そういう時代背景を、若手新聞記者・進藤利一(玉木宏)が 『狂言回し』 として
時流を批判的に捉えて説明します。

冒頭にある、これらのエピソードが、現在の日本の状況の『写し鏡』として聴衆に訴えます。
いま、まさに総理大臣が1年もつかどうかの状況が続き、「大阪維新の会」という『バス』に
乗り遅れるな! というトレンドが蔓延っていますが、このまま行くと、大東亜戦争の二の舞
であることを警告しているようです。

「山本五十六」の言葉として(本当にそう言ったのか脚本上の創作かは不明)
「日清戦争・日露戦争・世界大戦の悲劇も三・四十年もすれば忘れてしまう」
と言わせています。

この映画は、全体として戦争の不条理を描きながら「平和は簡単には護れない」ことを訴えた、
『好戦的映画』 とは、対極にある映画だと思いました。
原作は、半藤一利さんです。
なるほど、『狂言回し』 進藤利一(玉木宏)は、原作者の分身だった訳ですね。
 (戦場視察のため「一式陸攻」に乗って南方前線に向かう 山本五十六)
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映画最後のタイトルバックは、画面半ばに水平線を配した海の映像。
津波ではないが、結構波立つ海の場面を延々と映し続けています。
おそらく、311津波とこれに続く原発事故など数々の災害の被災者への鎮魂を
表現しているのだろうと思います。
 聯合艦隊司令長官 山本五十六 ―太平洋戦争70年目の真実― - goo 映画
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goo映画による作品紹介・解説 昭和14年の夏。2年前に始まった支那事変が泥沼化しつつあった。陸軍が日独伊三国軍事同盟の締結を強く主張する中、海軍次官の山本五十六、海軍大臣の米内光正、事務局長の井上成美は、信念を曲げる事なく同盟に反対の立場をとり続けていた。日本がドイツと結べば、何倍もの国力を持つアメリカと戦争になる。それだけは何として避けなければならないと考えていたのだ。だが世界情勢は急転、第二次世界大戦が勃発してしまう…。
真珠湾攻撃によって太平洋戦争の火ぶたを切って落とした戦略家であると同時に、誰よりも開戦に反対する立場を主張した山本五十六の半生を描いたドラマ。アメリカとの国力の差を把握、早い時期から指摘し、三国同盟に強く反対した海軍次官時代から、開戦後、海軍司令長官の立場として早期の終戦を目指すも、志半ばで命を落とすまで――そんな波乱万丈の人生を丹念に追っていく。成島出監督の演出のもと、主演の役所広司をはじめオールスター・キャストが集結。戦争スペクタクルやメッセージ性の強い反戦映画とは一線を画し、山本五十六というひとりの男の実像に迫った本作は、今の時代に必要なリーダーの在り方を示しているようにも思える。
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キャスト・スタッフ キャスト
役所広司 玉木宏 柄本明 柳葉敏郎 阿部寛 吉田栄作 椎名桔平 益岡徹 袴田吉彦 五十嵐隼士 坂東三津五郎 原田美枝子 瀬戸朝香 田中麗奈 伊武雅刀 宮本信子 香川照之
監督 成島出
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