2011年9月13日(火)
先週(9/8)予告した
【六本松 九大跡地再開発に関する UR の計画ガイドライン】
の 説明会 が 昨日(9/12)開催されました。
主催:UR 都市機構 日時:9月12日(月)18:30~場所:草ヶ江公民館講堂 内容:ガイドラインの説明、今後のスケジュール。
開場10分前までは、閑散とした入りでしたが、定刻(18:30)を過ぎても続々と 周辺住民が詰め掛け、午後7時頃には、後方に椅子を追加しても立ち見がでるほど。

住民の関心の高さが示されています。
18:30開会という設定は、会社員にとっては、早過ぎる時間帯です。 私も、終業時間の17:30に速攻で退社して、駆け付けたところですが、 会場到着は 18:00 過ぎ でした。
しかし、周辺住宅9千戸に案内を全戸配布したと言うのに、100人も 入ると満杯という この小さい会場を選んだ「UR」の『根性』が解りません。 あまり、多くの住民が参加して欲しくないとでも言うことでしょうか?
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【URの提案ガイドライン】 多くの図像と文書(24頁もある『大作』)が、示され説明されましたが、 それを、このブログ記事で詳しく説明する訳にも行かないので、代表的な図で 御紹介します。
【全体ゾーニングと各建築物の規模】
 左の表の中で、東側・西側の複合施設(URの計画では店舗とマンション)の 高さが 50m 〜 90m となっており、司法エリアの2倍の高さを許容しているが、 この点に、住民側は強く反発! 九大の頃は20m程度であり、この案では威圧感が大きい との意見続出! 前面道路からのセットバックも僅か10mしかなく、九大の頃は数十mもあった のと比べると、大きな壁が出来た感じで、風の通り抜けも遮られる!
【ガイドラインにより規定する「ルール」】
 「ルール」(規則)とは、URが転売する業者に課す「基準」を示すものらしい。 地下鉄・バス停付近にエントランス広場を設け、敷地四隅にも街角広場を設け、 外周や、中心道路の両側を緑化し緑道とする。 中央部に公園と隣接する空地を 合計 3800㎡ 設けるなど、敷地面積に対する 緑化率を30%にするなどして、 高層住宅という前提を抜きにすれば、それなりの意欲的な計画ではある。
【UR の描く開発後のイメージ】 (実際のものとは異なります と強調!)
 上記の緑化を強調したイメージ画像ではあるが、やはりマンション棟は 著しく景観を損ねている。 その上、この画像では、西側(写真右)のマンション棟は20階建て程度であり URが許容する30階建て・90m の 高さは、この1.5倍ではなかろうか? また、高層部は専有面積を一回り小さく描いており、威圧感を少なく見せている。 実際には、業者の自由であり、低層階の面積のままで、この1.5倍の高さの建物が 西側にも東側にも建つ可能性が高い。 その上、URは、「転売先の業者には 90m という高さの義務付けは行わない」 と回答。
【事前に寄せられた住民の意見から】 上記の計画ガイドラインの説明終了後、事前に寄せられた質疑にお答えするとのこと。
Q1)少年科学文化会館を誘致して欲しい ⇒ A1:委員会の中でも地元の委員から出ていた。 福岡市さんが、求められれば優先して分譲する(東・西一体 または いずれか)
Q2)既存樹木などの活用 ⇒ A2:可能なものは現状のまま。状況により移植。30%緑地化に活用したい。
Q3)自然エネルギーの導入 ⇒ A3:司法エリアなどは、国基準での自然エネルギーの導入が義務付け。 民間エリアへのURからの義務付けはむつかしいが、配慮はされるだろう。 30% 緑地化もエネルギー消費削減には貢献すると思う。
Q4)ガイドライン策定期間が短すぎる (住民の意見聴取期間の意味か?) ⇒ A4:草香江まちづくり協議会の会合にも参加させていただくなどして、 地域の皆さんの御意見は最大限伺って計画に活かしてきたつもり。
Q5)高層マンションは要らない ⇒ A5:福岡市のマスタープランでも「居住を含めた複合的利用」となっており、 マンションなど高度利用を進めたい。 (注:ここでいう高度利用とは、文化的・機能的に「高度」なのではなくて 建築の高さが『高い』というだけの意味であることに注意!)
以上までの所で、開会から67分ほど経過。(19:37)
「質疑応答を午後8時を目処にさせていただきたい」と言ったものだから住民が猛反発!
結局、会場の公民館の限度ギリギリの午後8時55分頃まで質疑・応答が続いたが、 それを書き取る余裕がないので省略。
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【少年科学文化会館 誘致について UR のスタンス】 (様々な質疑でのURの回答を執筆者の文責でまとめたものです) 住民の皆さんから、北側部分に「少年科学文化会館」を誘致して欲しいという意見は 伺っている。 UR としては、これに反対する訳ではない。信用して欲しい。 「学びをつなぐ」というコンセプトにも相応しい施設だと考えている。 北側部分の分譲先が既に決まっているということも全くなく、白紙である。 「福岡市跡地計画課」からは、「少年科学文化会館」を六本松に設けたい旨伺っている。 しかし、「少年科学文化会館」は、福岡市「こども未来局」の管轄だと聞いている。 福岡市との協議を行わないまま、民間業者に売却することは絶対に無い。 平成24年(2012年)に予定されている当該敷地の売却までに、 福岡市が手を挙げて頂ければ、優先して福岡市に売却する。
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最後に、オブザーバーで、客席に居た 福岡市(六本松 九大)跡地計画課の方より 以下の趣旨の 「重要な発言」 があった。 (文責・執筆者)「跡地計画課」は、「少年科学文化会館を六本松に」と要請している。 「こども未来局」は今年度末までに用地取得も含めて方針を決める。 現状では、「こども未来局」は、移設場所を決めていない。 北側部分の公募前に、URから連絡頂いて決めることになっている。 市議会でも地元議員が活発に動いているようで、「六本松に」 の声が強いことは伝わっているようだ。 しかし、最終的に決めるのは「こども未来局」
要するに住民運動は、「こども未来局」を動かす方向で 議会にも働きかけてゆくべきであるということのようだ。
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【私の感想】
質疑では、対立的な厳しいやりとりもあったが、上記に掲げた 「URのスタンス」 と 「跡地計画課」 の考えが、『内輪の噂』ではなく、 公開討論の場で「明確に表明された」ことの意義は大きかったと思う。
UR や 福岡市 には、「こども病院移転問題」など、さんざん騙されて きたので、住民側の不信は強いが、上記の 「言質」 を 握って離さず、 市議会や 「福岡市こども未来局」 に強く働きかけてゆくことが大事だろう。
以上。
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住民運動側の提案は、当方のブログ記事
六本松 九大跡地 に 福岡市少年科学文化会館を
を御覧ください。
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