2011年3月13日(日)
邦題 【英国王のスピーチ】 を昨夜見た。
アカデミー賞4冠に“輝く” 映画である。

派手なアクションシーンは全く無く、CG や SFX も一応使われてはいるようだが、
それは、1930年代を表現するための言わばエイジングのためのもので、
どこで使っているかは解らなかった。
すなわち、そのような古びた感じを出した 落ち着いた映画である。
ストーリーはあちこちで書かれているようなので、トレースはしないが、
私の目で見た主題は、吃音(どもり)を治療した言語療法士と国王の友情
ではなく!
ナチスに対する宣戦布告を行い、これを国民に訴えて戦意高揚をはかる「宣言」
こそが制作者の意図であろうと言うところだ。

父が亡くなったあと跡を継いだ兄の王が年上の女性と結婚するために王位を退き
なりたくなかった「英国王」になってしまったが、そこで決断を迫られる最初の試練が
ナチスとの宣戦布告であった。 という話である。
「英国王」がその時代での最先端メディアであるラジオの前で国民に訴える「宣言」の
中身は、自らの意思によるものではなく、内閣が作成した戦意高揚【戦争宣言】である。
日本の天皇も同じようなことであったのだろうか? と想像させるシーンである。

音楽は、モーツァルト、ベートーヴェンなどのクラシックを採用し、
特に ベートーヴェン・ピアノ協奏曲「皇帝」を効果的に使っていた。
23:45 からのナイトショーに観客7人ほど。
******************
そして一日、今夜は日本政府の菅総理による「日本国民へのお願い」宣言があった。
「東日本大震災」で、東北地方の福島原発をはじめとする多くの発電所・変電所
送電設備の破壊による電力供給危機に際しての節電と「計画停電」のお願いである。
その国民の情念に訴える演説手法が、「英国王のスピーチ」内容と妙にダブってしまった。
13日夜の菅首相発言全文「力合わせ危機乗り越えよう」 (朝日新聞) - 2011年3月13日(日)20:54
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg4503.html
******************
 英国王のスピーチ - goo 映画
公式サイト
******************************* ランキングの応援をよろしく  にほんブログ村 *******************************
goo映画による あらすじと解説 【作品解説・紹介】 幼少時の恐怖を抱えたまま大人になった“バーティ”ことジョージ6世は現在の女王エリザベス2世の父である。自己嫌悪の塊でありながら短気な面も持ち合わせた複雑で繊細なこの人物を『シングル・マン』のコリン・ファースが好演。常に夫を支える頼もしいエリザベス役にヘレナ・ボナム=カーターが気品と極上のユーモアをもたらし、さらに、対等で親密な関係こそが治療の第一歩と信念を持つローグに名優ジェフリー・ラッシュ。この最高の布陣でメガホンをとったのは「第一容疑者」など主にTV畑で手腕を発揮してきたトム・フーパー。ナチス・ドイツとの開戦前夜、まず自分自身の劣等感と闘った国王に拍手喝采せずにはいられない。
【解説】 吃音に悩む英国王ジョージ6世が自らを克服し、国民に愛される真の王になるまでの実話を『くたばれ!ユナイテッド-サッカー万歳!-』のトム・フーパーが映画化。出演は「シングルマン」のコリン・ファース、「エリザベス ゴールデン・エイジ」のジェフリー・ラッシュ、「アリス・イン・ワンダーランド」のヘレナ・ボナム=カーターなど。
【あらすじ】 ジョージ6 世(コリン・ファース)は、幼い頃から吃音というコンプレックスを抱えていたため、英国王ジョージ5世(マイケル・ガンボン)の次男という華々しい生い立ちでありながら、人前に出ることを嫌う内気な性格となり、いつも自分に自信が持てないでいた。
厳格な父はそんな息子を許さず、様々な式典のスピーチを容赦なく命じる。 ジョージは妻のエリザベス(ヘレナ・ボナム=カーター)に付き添われて、何人もの言語聴覚士を訪ねるが一向に改善しない。
ある日、エリザベスはスピーチ矯正の専門家・ライオネル(ジェフリー・ラッシュ)のもとへ夫を連れていく。 ライオネルは、診察室では私たちは平等だと宣言、王太子を愛称で呼び、ヘビースモーカーのジョージに禁煙させる。さらに、大音量の音楽が流れるヘッドホンをつけ、シェイクスピアを朗読するという奇妙な実験を行うが、ジョージはこの治療は自分には合わないと告げ、足早に立ち去ってしまう。 だがクリスマス放送のスピーチがまたしても失敗に終わったジョージは、ライオネルに渡された朗読の録音レコードを聞いて驚く。音楽で聞こえなかった自分の声が一度もつまることなく滑らかなのだ。再びライオネルを訪ねたジョージは、その日から彼の指導のもとユニークなレッスンに励むのだった。
1936 年、ジョージ5世が亡くなり長男のエドワード8 世(ガイ・ピアース)が即位する。 そんな中、かねてからアメリカ人で離婚暦のあるウォリス・シンプソンと交際していたエドワードが王位か恋かの選択を迫られる。彼は恋を選び、ジョージは望まぬ座に就くが、大切な王位継承評議会のスピーチで大失敗。 だがジョージはライオネルの助けを借り、戴冠式のスピーチは成功に終わる。
しかし、本当の王になるための真の試練はこれからだった。ヒトラーの率いるナチスドイツとの開戦直前、不安に揺れる国民は王の言葉を待ち望んでいた。王は国民の心をひとつにするため、世紀のスピーチに挑む……。
**********************
菅総理の国民へのお願い 【力合わせ危機乗り越えよう】(結論部分)
(前段・中段 略) しっかりとした対応を講じてまいりますので、そして情報を提供してまいりますので、ぜひともご理解を頂いて、この停電に対して皆さんの生活を守っていくよう、それぞれ工夫をお願いいたしたいと、このように思うところであります。
私は今回の地震、そして津波、そして原発のいまの状況など、戦後65年間経過した中で、ある意味で、この間で最も厳しい危機だと考えております。果たして、この危機を私たち日本人が乗りこえていくことができるかどうか、それが一人一人、すべての日本人に問われていると、このように思います。
私たち日本人は、過去においても厳しい状況を乗りこえて、今日の平和で繁栄した社会を作り上げてまいりました。今回のこの大地震と津波に対しても、私は必ずや国民の皆さんが力を合わせることで、この危機を乗りこえていくことが出来る、このように確信をいたしております。
どうか、お一人お一人、そうした覚悟をもって、そしてしっかりと家族、友人、地域の絆を深めながら、この危機を乗りこえ、そしてよりよい日本を改めて作り上げようではありませんか。そのことを心から全国民の皆さんにお訴えをし、皆さんへのお願いとさせて頂きます。どうかよろしくお願いします。
- 関連記事
-
テーマ:アカデミー賞を受賞した映画
- ジャンル:映画
|