2011年2月27日(日)
MET Live Viewing で アメリカ産のオペラ 【Nixon in China】 を きのう観て来ました。
 歓迎の祝宴で乾杯するニクソン(左)と周恩来(右)ニクソン夫人(その右) (以下、画像は 【Nixon in China】 公式サイトより拝借)
【ニクソン・イン・チャイナ】
MET 初演ということで、もちろん私は、初めて観たのですが・・・
ニクソンと毛沢東の会談場面で、ニクソンの発言と毛沢東の発言が、全く噛み合わず、
毛沢東が何を言いたいのかさっぱり解らなかった(哲学問答?)という表現は、
実際にキッシンジャーの秘書として記録を取っていた人の「記録」を元にしているらしく、
事実を再現しているとのことでした。
(幕間にこの公演を観に来た、その秘書への短いインタビューがありました。)
 左より通訳兼秘書(メガネの女性二人)、毛沢東、ニクソン、キッシンジャー
中国に対する描き方は「紋切り型」のようにも思えますが、実際にそういう傾向は
あったのだろうと思われます。
(まだ毛沢東も紅青も健在で「文化大革命」の余波も残っている頃ですから)
一方、ニクソンの描き方は「お人好し」という感じで、ちょっと頂けませんでした。
音楽は、現代音楽ですから、解り易いものでもなく、変拍子も多いのですが、
聞き苦しい音楽ではありませんでした。
ヒステリックな紅青にはキンキン聞こえる高く鋭い音形(ライトモチーフ)を与え、
病身の毛沢東にもバスではなく、テナーを配している意外性もあります。
 左より 周恩来、 スピーチする(歌う)ニクソン、 パット・ニクソン
言語は英語で、最初のうちは聴き馴れないためかさっぱり理解できませんでしたが、
その内、断片的な単語は聞き取れるようにはなりました。
そうすると、余り複雑な構文は使っていなくてシンプルな文体であることが解りました。
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舞台装置といえば、大統領専用機の前の部分が上から降りて来るところくらいが
多少大掛かりと言えますが、迫り舞台や回り舞台も使わない演出でした。
 搭乗口の後ろに背景が見える等、いかにもハリボテの大統領専用機
まあ、期待したほどのものではありませんでした。
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 歓迎の祝宴で「紅色娘子軍」のヒロインを演ずる山崎 晴野さん(手前左)と 同じく人民解放軍の兵士を演じる瀬河寛司さん(右)。後方にニクソン夫妻
三幕もので、2幕と3幕では、日本人バレエダンサーの瀬河寛司さん山崎 晴野さんの
デュエットがあり、木村 佳奈さん、鶴原谷 圭さん、菊池 健太郎さんらがバレエシーンで
重要な役柄を演じています。
プリンシパルを務めるバレエダンサー “瀬河寛司さん” 特別インタビュー
 作曲者・J.アダムズ氏(中央)と瀬河さん、山崎さん (初日公演後のパーティーにて)
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MET Live Viewing の良い所として、主な出演者や指揮者(作曲家本人)・演出家などへの
インタビューが幕間にあるのが特典です。
MET 公式サイトから幾つかの映像がご覧になれます。
【Nixon in China Videos】
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MET 【Nixon in China】 公式サイト (英語)
松竹・「MET Live Viewing」 公式サイトから
【ニクソン・イン・チャイナ】
【ニクソン・イン・チャイナ】のみどころ
☆1972年2月のニクソン訪中の際の資料写真。 オペラの舞台セットや演出と比べてみると…とても興味深いです
MET上演日:2011年2月12日 NY現地時間 日本上映:2月26日~3月4日
〈作曲・指揮〉ジョン・アダムズ 〈演出〉ピーター・セラーズ 〈キャスト〉 ニクソン大統領役:ジェイムズ・マッダレーナ(バリトン) パット・ニクソン役:ジャニス・ケリー(ソプラノ) 周恩来役:ラッセル・ブローン(バリトン) 毛沢東役:ロバート・ブルーベイカー(テノール) 江青(毛沢東夫人)役:キャスリーン・キム(ソプラノ)
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テーマ:クラシック
- ジャンル:音楽
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