2010年10月7日(木)
【有機化合物の合成法開発】に関する地道な研究の成果が認められ、 二人の日本人化学者と共同研究者が 「ノーベル化学賞」 に選定された。
鈴木章・北海道大名誉教授(80)
根岸英一米パデュー大特別教授(75)
リチャード・ヘック米デラウェア大名誉教授(79)
の3人
いずれも、数十年前の研究成果に対してである。
日本の研究者だけではないが、このところの「ノーベル賞」は、
数十年から50年も前の研究成果に対して送られることが多くなり、
タイムリーな成果を評価しにくくなっている。
医学生理学賞に『ノミネート』されていた、iPS細胞 を開拓した
山中伸弥・京都大学教授(48)は、その成果の偉大さにも拘わらず、
今年は受賞に至らなかった。
あと30年ほど待たなければならないのだろうか?
その頃には、人造人間が世の中を闊歩していたりして・・・
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 鈴木章・北海道大名誉教授(80)
 根岸英一米パデュー大特別教授(75)
 リチャード・ヘック米デラウェア大名誉教授(79)
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【有機化合物の合成法開発】 といっても良く解らないが、医療機器や環境機器や携帯などにも その応用技術が活かされているという。

画像は、朝日新聞、時事通信 配信分より
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山中伸弥・京都大教授(48)を「最有力」と予測 AFP BB News 2008年08月22日 20:08 10月4日から始まるノーベル賞発表を前に、地元スウェーデンの主要日刊紙「ダーゲンス・ニュヘテル」の科学担当記者が毎日新聞の取材に応じ、医学生理学賞では人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作成した山中伸弥・京都大教授(48)を「最有力」と予測した。
同紙は日常的な取材に基づく予測記事を毎年掲載しており、日本人では02年の小柴昌俊・東京大特別栄誉教授(84)の物理学賞受賞を的中させている。
同紙で科学記事の責任者を務めるカリン・ボイス記者(51)は、あらゆる組織や臓器に分化する能力を持つiPS細胞を作った山中教授の功績を「本格的な応用はこれからだが、素晴らしい業績。今年でなくても数年以内に受賞する筆頭格だ」と評価した。
鈴木、根岸氏にノーベル化学賞 有機化合物の合成法開発 共同通信 2010年10月6日(水)21:06 【ストックホルム共同】 スウェーデンの王立科学アカデミーは6日、10年のノーベル化学賞を、製薬や電子産業などの幅広い分野で使われる有機化合物の合成技術を開発した鈴木章・北海道大名誉教授(80)と、根岸英一米パデュー大特別教授(75)、リチャード・ヘック米デラウェア大名誉教授(79)の3人に授与すると発表した。授賞理由は「有機合成におけるパラジウム触媒クロスカップリング」。
ノーベル化学賞、根岸英一氏・鈴木章氏ら3人に 朝日新聞 2010年10月6日(水)23:11 スウェーデンの王立科学アカデミーは6日、今年のノーベル化学賞を、根岸英一・米パデュー大特別教授(75)、鈴木章・北海道大名誉教授(80)、リチャード・ヘック・米デラウェア大名誉教授(79)に贈ると発表した。3人は金属のパラジウムを触媒として、炭素同士を効率よくつなげる画期的な合成法を編み出し、プラスチックや医薬品といった様々な有機化合物の製造を可能にした。
日本のノーベル賞受賞は17、18人目となる。化学賞は6、7人目。
業績は「有機合成におけるパラジウム触媒クロスカップリング」。
薬でも液晶でも、分子の骨格は炭素同士の結合でできている。炭素同士をいかに効率よくつなげるかは有機化学の大きなテーマだ。その方法の一つとして1970年代ごろから注目を集めていたのが、異なる二つの有機化合物の炭素同士をつなぐ「クロスカップリング反応」だった。
ヘックさんは、有機化合物の合成反応を仲介する触媒にパラジウムをいち早く使った「ヘック反応」を確立し、根岸さんがこれをクロスカップリング反応に応用した「根岸カップリング」を開発。亜鉛化合物やアルミニウム化合物を使った反応などにバリエーションを広げて、使いやすい形に改良した。亜鉛を使うと反応が安定し、合成できる物質の種類が増えた。
さらに、鈴木さんは北海道大教授だった79年、亜鉛の代わりにホウ素を使って改良した「鈴木カップリング」を開発し、実用化に結びつけた。従来のカップリング反応は特別な溶液中などで行う必要があったが、鈴木さんの反応はこの弱点を克服した。特別な条件を整えなくても反応が進み、毒性が強い化合物を使わずにすむ。
クロスカップリング反応は「世界中のありとあらゆる化学メーカーが恩恵を受けている」(三菱ケミカルホールディングス)という。
鈴木カップリングの製薬への応用で有名なのは降圧剤バルサルタン(商品名・ディオバン)。血圧を下げる働きが強く、日本で最も売れている薬の一つだ。販売元の製薬会社ノバルティスファーマによると昨年の国内売上高は約1400億円(薬価ベース)。調査会社CSDユート・ブレーンによると、世界の大型医薬品の中で昨年、6位の売上高だった。
農薬では、果樹や野菜など農業で使われる独BASF社の殺菌剤ボスカリド(商品名・カンタス)にも鈴木さんの反応が使われている。
液晶テレビにも欠かせない。液晶材料の製造で世界のトップシェア争いをしているチッソと、独メルク社がいずれも採用。この結果、国内外の多くの液晶テレビやパソコン用ディスプレーで使われることになった。
チッソによると、同社は1990年代半ばにTFT液晶の開発にこぎつけた際、鈴木さんのアドバイスを受けた。鈴木カップリングは「ロスが少なく、コストダウンにつながった。液晶の世界が伸びた大きな役割を果たした」(広報担当)という。画質が優れた新世代の有機ELディスプレーでも、EL高分子の製造に使われている。
授賞式は12月10日にストックホルムである。賞金の1千万クローナ(約1億2千万円)は受賞者3人で分ける。
◇
■根岸英一(ねぎし・えいいち)氏の略歴
1935年、旧満州(中国・長春)生まれ。58年、東京大卒業、帝人入社。63年に米ペンシルベニア大で博士号取得、66年に米パデュー大研究員、79年同大教授、99年に同大特別教授。
■鈴木章(すずき・あきら)氏の略歴
1930年、北海道生まれ。54年、北海道大理学部卒。61年に同大工学部助教授、63年に米パデュー大博士研究員、73年に北海道大工学部教授、04年に日本学士院賞受賞、09年、英化学会特別会員に選ばれる。
■Richard F.Heck(リチャード・ヘック)氏の略歴
1931年、米マサチューセッツ州生まれ。54年、カリフォルニア大ロサンゼルス校で博士号取得。化学メーカー・ヘラクレス社を経て71年、デラウェア大へ転出し、教授を務める。
朝日新聞 2010年10月6日(水)23:11
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21名の新たなノーベル賞有力候補者を発表 トムソン・ロイター 2010年9月21日(JST) 米国ペンシルベニア州フィラデルフィア/英国ロンドン発
トムソン・ロイター(本社:米国ニューヨーク、日本オフィス:東京都千代田区)は、10月4日から予定されているノーベル賞受賞者の発表に先駆け、「ノーベル賞有力候補者(トムソン・ロイター引用栄誉賞)」を発表いたします。
今回、新たに有力候補として加えられた研究者は21人。そのうち、日本からは医学・生理学分野で山中伸弥京都大学iPS細胞研究所長・物質-細胞統合システム拠点(iCeMS)教授、化学分野で北川進京都大学iCeMS副拠点長・教授、そして経済学分野で清滝信宏プリンストン大学教授が選出されました。2002年にこの有力候補者発表を定期化して以来、日本人の経済学分野での選出は初となります。
山中伸弥・京都大教授(48)を「最有力」と予測 AFP BB News 2008年08月22日 20:08
10月4日から始まるノーベル賞発表を前に、地元スウェーデンの主要日刊紙「ダーゲンス・ニュヘテル」の科学担当記者が毎日新聞の取材に応じ、医学生理学賞では人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作成した山中伸弥・京都大教授(48)を「最有力」と予測した。
同紙は日常的な取材に基づく予測記事を毎年掲載しており、日本人では02年の小柴昌俊・東京大特別栄誉教授(84)の物理学賞受賞を的中させている。
同紙で科学記事の責任者を務めるカリン・ボイス記者(51)は、あらゆる組織や臓器に分化する能力を持つiPS細胞を作った山中教授の功績を「本格的な応用はこれからだが、素晴らしい業績。今年でなくても数年以内に受賞する筆頭格だ」と評価した。
コレステロール低下薬「スタチン」を開発した遠藤章・東京農工大特別栄誉教授(76)にも注目していると話した。
ノーベル賞は徹底した秘密主義を貫き、選考過程も50年間公表されない。ボイス記者は「予測は学術誌など公開されている資料に基づいており、選考委員からの情報提供はない」と強調。 日本人の自然科学系ノーベル賞への関心が高いことについて「スウェーデンではむしろ、文学賞や授賞式で王族が着るドレスが注目される。日本人の関心は我々にとって名誉なこと」と語った。
一方、スウェーデンの民放ラジオ局は2日、山中氏と、炭素の新素材を発見した飯島澄男・NEC特別主席研究員(71)を含めた受賞者予測を放送した。過去の受賞者の業績を展示するノーベル博物館のアメリン館長は「来週は日本人の名前が加わるかもしれませんね」と話す。
ノーベル賞は ▽4日医学生理学 ▽5日物理学 ▽6日化学 ▽7日文学 ▽8日平和 ▽11日経済学 --の順に発表される。
山中教授は、生物のあらゆる部位に変化するiPS細胞(人工多機能細胞)を2006年に、開発成功。
世界中の主な科学に関連する賞を受賞。
残るは、ノーベル賞くらい。
【山中教授の主な、受賞歴】
* 第10回 2004年度(平成16年度) ゴールド・メダル「東京テクノ・フォーラム21賞」:「初期胚の分化や腫瘍形成を調節する因子の発見と再生医療への応用」 * 第3回(平成18年度) 日本学術振興会賞:「細胞の核を初期化する遺伝子の解析と多分化能を持つ幹細胞の樹立」 * 第25回(平成19年度)大阪科学賞:「細胞核を初期化する遺伝子の同定と多能性幹細胞の樹立」 * 2007年度 朝日賞「万能細胞作製に関する新手法の開発と実証」 * 2007年度 マイエンブルク賞:Meyenburg Award 2007 [Meyenburg Foundation / German Cancer Research Center (DKFZ)] * 2008年度 ロベルト・コッホ賞 * 2008年度 科学技術特別賞 * 2008年度 ショウ賞(生命科学・医学部門):人工多能性幹細胞(iPS細胞)の研究 * 2008年度 紫綬褒章 * 2008年度 上原賞(多能性幹細胞の維持と誘導に対し) * 2008年度 山崎貞一賞(多能性幹細胞の維持と誘導) * 2008年度 島津賞(人工多能性幹細胞による生体反応予想に対し:日本生化学会推薦) * 2008年度 武田医学賞(多能性幹細胞の維持と誘導) * 2008年 中日文化賞受賞 * 2009年 ガードナー国際賞 * 2009年 アルバート・ラスカー基礎医学研究賞 * 2010年 発生生物学マーチ・オブ・ダイムズ賞 * 2010年 京都賞先端技術部門 * 2010年 バルザン賞 * 2010年 奈良先端科学技術大学院大学栄誉教授称号授与
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