2010年2月21日(日)
土曜日のレイトショーで2本、日曜日の昼に6ポイント・無料鑑賞で1本。
土曜日に見たのは、 【人間失格】 と 【恋するベーカリー】 の2本。
今日紹介するのは、【人間失格】の方。

太宰治不朽の名作と言いますが、私は高校生の頃に一回素読しただけで、 中身はさっぱり覚えていません。
この太宰治の原作【人間失格】は、今も若い人々特に女性に読み継がれているようです。
しかし、この映画を見ていると、女の子は、いわゆる『若いイケメン男』だったら、こんな『アル中』で自殺癖のある何の取り得も無い放蕩息子であっても一目惚れしてしまうんだなあと思ってしまいます。
映画の描き方は、この太宰治(本名:津島修治)自身をモデルに描かれているという大庭葉蔵(生田斗真)に会った女は次々と大庭葉蔵に一目惚れし、あれこれと世話を焼き始めるのです。 10代の女(石原さとみ)から、寺島しのぶ(別の作品で、ベルリン映画祭で最優秀女優賞を受賞!)・20代の設定?、坂井真紀・30代?、小池栄子・40代?、室井滋・50代?果ては三田佳子・60代?の女まで、いわばやりたい放題。 放蕩の限りを尽くし、心中で相手だけが死に自らは命を取り留めたり・・・
 良子:石原さとみ 大庭葉蔵が入り浸っているバー近くのタバコ屋の娘  常子:寺島しのぶ 大庭葉蔵が出入りするキャバレー?の給仕婦
 礼子:坂井真紀 執事・平目が手配した下宿屋の娘  静子:小池栄子 大庭葉蔵が漫画を投稿?する雑誌の編集者  寿:室井滋 大庭葉蔵が睡眠薬やモルヒネを手に入れる薬局の女主人  鉄:三田佳子 薬物中毒を直すために執事・平目が用意した故郷 の「療養所」に雇われた、父に仕えていた“女中?”
まさに【人間失格】の原題にふさわしい墜落してゆく男を描いている。
彼を放蕩の世界に引き込む遊び人・堀木役に、NHKで白洲次郎を演じた 伊勢谷友介

原作には登場しないという、中原中也や檀一雄や小林秀雄が映画には登場する。
演出は、はっきり言って相当“臭い” 女が大庭葉蔵の世話を焼くシーンだとか(特に坂井真紀のシーン)、資産家である 大庭葉蔵の父の執事・平目を演ずる石橋蓮司の大袈裟な演技(この演技は、抑え気味の演技が多い石橋蓮司自らのものではなく、演出家または監督の要求に違いないと思うが・・・)など。
土曜日、21:30からの上映に観客は十数人の少なさ。 鳴り物入りの宣伝ほどの集客にはなっていないようだ。
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結局、太宰治は何回かの心中事件で自分だけが生きながらえると言う失態を演じ、何度目か(3回目だったか)の心中事件「玉川上水入水事件」で、目的を遂げ、死んでしまった訳である。 しかし、彼はこの時も自分は生き延びて次の作品のネタにするつもりではなかったのだろうか?
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【作品解説・紹介】 資産家の息子・大庭葉蔵はある日、同じ画塾に通うという堀木に出会った。 遊び人の堀木の影響を受け、放蕩三昧の日々を過ごす葉蔵。
女にも苦労しなかったが、やがてそんな生活に疲弊していく。 そして彼は、カフェの女給・常子と鎌倉の海で心中を図るが、自分だけが生き残ってしまう結果に。 事件後葉蔵は、子持ちの記者・静子の元に転がり込み、仕事を世話してもらうのだが…。
今なお多くの人に読まれる太宰治不朽の名作を映画化。 幼少期より自分をさらけ出さない資産家の息子・大庭葉蔵の半生を、耽美的かつ退廃的な映像美で映し出していく。
言い知れぬ感情を抱えた葉蔵が、悪友・堀木や様々な女たちと出会い、心を激しく揺らしていく姿が印象的だ。 そんな葉蔵を演じたのは、映画初出演・初主演となる生田斗真。いきなりの難役にもかかわらず、悩み続ける葉蔵を新たな魅力で演じきった。 彼を惑わす堀木役の伊勢谷友介は、キレのよい演技で無頼の男を表現。
葉蔵を愛した女たちには、寺島しのぶ、石原さとみ、坂井真紀ら実力派女優が配された。森田剛演じる中原中也の登場など、映画オリジナルの要素にも注目したい。
【スタッフ・キャスト】監督:荒戸源次郎 原作:太宰治
出演 生田斗真 伊勢谷友介 森田剛 寺島しのぶ 坂井真紀 小池栄子 石原さとみ 室井滋 三田佳子
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