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観劇レビュー&旅行記
【観劇レビュー&旅行記】を中心にFC2上で、私も思いを気の向くままに書いてゆきます。 政治・時事評論は 【JUNSKY blog 2018】に引続き運用します。リンクの一番上に記載しています。


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【シルク・ドゥ・ソレイユ】(太陽サーカス:カナダ) 事業再生手続きへ
2020年7月1日(水)

 殆ど公的支援なしの日本と比べて
 桁違いの支援があるカナダでも、世界的に有名な『サーカス劇団』
 【シルク・ドゥ・ソレイユ】(太陽サーカス)が経営破綻に陥ったとのこと。
 「運営会社は、およそ3500人の従業員を解雇する」
(シルク・ドゥ・ソレイユが「外国の私企業」に売却される懸念を抱いた
ケベック州政府は、新型ウイルス流行による大規模イベントの開催制限が
世界的に緩和されつつある中、公演再開を支援する2億ドル(約220億円)の
条件付き融資を申し出ていた。 AFP:2020/6/30)
    Cirque du Soleil Symbol-S

 数か月前にも、#新型コロナウイルス感染対策での
全公演(世界レベル)中止で危機的状況が伝えられていた。
(米ラスベガス(Las Vegas)やイスラエル・テルアビブ、露モスクワ、
豪メルボルンなど世界44か所の公演の中止を余儀なくされ、
曲芸師や技術者ら大勢のスタッフの一時解雇に追い込まれた。
 AFP:2020/6/30)
団員を一時解雇したが、再開次第再雇用すると言う話しで
その間は、いわゆる『失業保険』で食い繋ぐと言う趣旨だったが・・・

シルク・ドゥ・ソレイユ、スタッフ95%を一時解雇 新型コロナで打撃
 AFP BB -2020年3月20日 15:05 発信地:モントリオール/カナダ


     ***************

 一方、俳優・技術要員・運営要員など1400名を抱える【劇団四季】は、
長期に亘る公演停止期間を良く持ち堪えていると感心する!
 4ヶ月を超える休演期間は、ほとんど『シルク』と変わらないと思うが・・・
 【劇団四季】を支えたいと思うファンの熱意の賜物だろうか?

クラウドファンディング 2020年7月1日14:00現在
コレクター(賛同者数):11,456人
現在までに集まった金額:153,659,400円(1億5,366万円)


202007011400_ShikiCloudFunding.jpg

   *******


シルク・ドゥ・ソレイユ 事業再生手続きへ コロナで収益ゼロに
 NHKニュース-2020年6月30日 21時16分

20200701_NHK_Cirque du Soleil-01

(引用)
サーカスや芸術的なパフォーマンスで世界的な人気を誇るカナダの劇団「シルク・ドゥ・ソレイユ」の運営会社は29日、裁判所に企業債権者調整法の適用を申請し、事業再生手続きに入ると発表しました。地元メディアは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う公演の中止で興行収入がなくなり、資金繰りに行き詰まったと伝えています。

「シルク・ドゥ・ソレイユ」は、カナダのケベック州、モントリオールに本社のある劇団で、日本を含む世界各国で公演し、芸術的なパフォーマンスで人気を集めていますが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、ことし3月から公演を中止していました。

こうした中、運営会社は29日、カナダの裁判所に企業債権者調整法の適用を申請し、事業再生手続きに入ることを公式サイトで明らかにしました。

発表では負債額は明らかにしていませんが、カナダの公共放送CBCによりますと、会社はおよそ9億ドル、日本円で970億円の債務を抱えていて、興行収入がなくなり、資金繰りに行き詰まったということです。

運営会社は、およそ3500人の従業員を解雇するほか、アメリカの破産裁判所に破産法の適用を申請することも検討するとしています。

ダニエル・ラマ-社長は、「すべての公演の中止を強いられ、収益がゼロになるなか、会社の将来を守るために決断力をもって対応しなければならなかった」とコメントしています。



【関連記事】

破産申請の「シルク・ドゥ・ソレイユ」 コロナ禍で綱渡り
 AFP BB -2020年6月30日 16:50 発信地:モントリオール/カナダ




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劇団四季【クラウドファンディングに関する御礼とお知らせ】
2020年7月2日(木)

 6月29日付けにて
【劇団四季クラウドファンディングに関する御礼とお知らせ】
 が掲載されたとのことですので引用して御紹介致します。

202007011400_ShikiCloudFunding.jpg

クラウドファンディングの御礼とお知らせ
 劇団四季公式 - 2020年6月29日(月)

(引用)
劇団四季の活動につきまして、現在、ご支援をお願いするクラウドファンディングを実施しております(本年9月30日まで)。
今回頂戴するご支援は、劇団活動の維持のため、中止公演の損失補填および今後の活動資金に充てさせていただきます。

6月17日に今回のプロジェクトを開始し、20日に目標額を達成することができました。
ご支援くださるすべての皆様に、心から御礼を申し上げます。
このような短期間での達成に、劇団員一同、大変驚くと同時に、劇団四季を応援してくださる方がこんなにもいらっしゃることをあらためて実感し、本当に勇気をいただいております。

劇団四季は、新型コロナウイルス感染症の影響により、この6月末までで年間公演の3分の1を中止することとなり、かつてない事態と損失に直面することとなりました。
この未曽有の日々に、劇団内でもさまざまな努力を重ねております。
ようやく公演再開の目途が立ち、7月14日より再び劇場の幕を開けることができる見込みとなりました。
しかし、総座席の5割を超える座席の販売が出来ないなど、完全な形での事業再開はまだ難しい状況にあります。また、これをいつまで継続しなければならないのかの目途も立っていません。

今回クラウドファンディングを実施させていただいた第一の理由が、この状況に対応するためです。「コロナ禍」は長期化が予想され、全く先の見えない危機です。どんな事態になっても、劇団が継続できる可能性を1%でも高めていく努力をする必要があると私たちは考えました。
大変ありがたいことに、すでに関係企業・機関の皆様からもご支援を頂戴しており、公的な支援につきましても、最大限活用させていただく所存です。そして、たとえ赤字であっても、再開する公演の入場率を高めるなどの努力を続け、何としても劇団組織を未来に繋げてまいります。

もう一つの理由は、舞台芸術に関わる全ての人たちが直面している、危機の大きさを少しでも知っていただきたいという願いからです。
劇団四季は、演劇業界では比較的大きい組織ではありますが、それでもお客様や支援者の方々からのサポートを頂戴したい現実があります。こうした我々の業界の窮状を、皆様にご理解いただくきっかけになればと考えました。

今回のクラウドファンディングで頂戴した資金は、オリジナル作品の開発など、劇団の未来を支える仕事に生かしていきたいと願っております。
自分たちが権利をコントロールできるオリジナル作品のラインアップが増え、海外作品と同じようにお客様に愛されれば、今回のような危機に再び直面しても対応策の幅は大きく広がります。「劇団四季を守りたい」と思ってくださる支援者の方々のお気持ちにも、お応えできることになると考えています。

このクラウドファンディングプロジェクトは、本年9月30日まで継続しております。
皆さんからいただいたお心をしっかり受け止め、一歩一歩、前に進んでまいります。

ご支援をくださったすべての皆さまに、劇団を代表して御礼を申し上げます。
これからも、劇団四季の活動にご理解を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

6月29日(月)更新





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“イベント自粛”の波紋 文化を守れるか 【NHKクローズアップ現代+(4月22日)】
2020年7月4日(土)

 #新型コロナウイルス感染 防止の観点から公演自粛を求められた
芸術・文化・音楽イベント分野などの窮状を積極的に取り上げた
【NHKクローズアップ現代+第1弾】(4月22日放送)を
NHK自らが文字起こしされ画像や映像を貼り付けた記事を
見付けましたので、再度ご紹介致します。

なお、当時この番組をリアルタイムで見て書いたブログ記事はこちら(↓)
【“イベント自粛”の波紋 文化を守れるか】 NHK クローズアップ現代+
 JUNSKY blog - 2020年4月25日(土)


なおNHK クローズアップ現代+ では、芸術文化分野の窮状紹介の
第2弾として【劇団四季】を取り上げるようで、現在取材中とのこと。
これは秘密情報ではなく、劇団四季公式 Twitter が NHK番宣を
引用して紹介しているものです。

NHK クローズアップ現代+で取材中です。
 【再起のヒント】劇団四季 公演再開までの舞台裏

 NHK-2020年7月3日

 (放送日は未定です。火・水・木の午後10時から)
20200703_NHK-Kurogen-01.jpg

NHK番宣から一部引用
年間公演数 約3,000回、観客動員数 約300万人。
日本を代表する演劇集団の「劇団四季」。
新型コロナウイルスの感染拡大で、今年2月末から公演の中止を余儀なくされてきましたが、7月14日(火)から約5か月ぶりとなる公演の再開を決めました。
しかし、最大の課題は、観客や俳優などの感染リスク。
そこで行ったのが、飛まつのリスクを可視化するための「実験」です。実験では意外な結果も明らかになり、未知のウイルスとの向き合い方がわかってきたといいます。

“「満員の客席がリスクに・・・」 創設以来 最大の危機”
劇団四季は、全国に8つの専用劇場を持ち、
抱える俳優・スタッフは総勢1,400人以上にのぼります。

中止公演の総回数は、6月時点で1,000回を超え、売り上げの3割、約85億円を消失する事態となったのです。
(以下略;この番宣も結構長いです!予告編映像付き)



“イベント自粛”の波紋 文化を守れるか
 NHKクローズアップ現代+(4月22日)

20200422_NHK-Kurogen-01.jpg

(引用:リンク先で読むと画像と短い映像が見られます)

新型コロナウイルスの感染が拡大する中、全国各地で音楽コンサート、演劇などのイベントの中止が相次いでいる。中止・延期となったイベントの数は少なくとも81000。5月末までにライブ・エンタメ市場9000億円のおよそ4割が消失するという試算もある。多くのアーティスト、イベントを支えるスタッフたちが生活困窮に追い込まれ、文化の衰退を危惧する声が各界の著名人から発信されている。どうすれば事態を打開できるか。ネットを駆使し新しいイベントのあり方を模索する音楽プロデューサー・つんく♂さん。安全を確保しながらコンサートを行うためのモデルケースを作り始めた音楽プロダクション…。番組は、苦境に追い込まれた現場を取材、文化を守るためにいま何が必要か考える。

出演者
平田オリザさん (劇作家)
合田 文さん (WEBメディア「パレットーク」 編集長)
武田真一 (キャスター) 、 栗原望 (アナウンサー)


新型コロナ “イベント中止”の波紋
去年、2年連続で紅白出場を果たした純烈。
新型コロナウイルスの影響で、2月末から一度もライブを行っていません。
純烈のリーダー、酒井一圭さんは悩んだ末にライブの中止を決めました。

純烈 リーダー 酒井一圭さん
「やっぱりお客さんのことを考えると、健康と命が一番大事なので。純烈である前に、人としてという部分で判断させていただいて。」


90年代後半から、CDの売り上げが低迷している音楽業界。収入の柱になっているのがライブです。
純烈も全国各地のスーパー銭湯などで、ファンとの触れ合いを大切にしながらライブを開催してきました。

収入の中心がライブだった純烈の事務所。大きな損失を受けています。

純烈 マネージャー 山本浩光さん
「(2月27日が)最後の、お客様の前でやらせていただいたイベントの最後ですよね。あとはこんな感じで、赤字のところは中止、もしくは延期。もうダメージは計り知れなく大きい。コンサートとかディナーショーがなくなる、イコール、収入がなくなる。事務所的にもやっぱり厳しくなってきます。」


ファンからは、再開を心待ちにする手紙が数多く寄せられています。


純烈 リーダー 酒井一圭さん
「励みですよ。SNSのメッセージもそうですし、ファンあっての純烈なので。」

しかし、この状況が続けば、グループの存続すら危ういと感じています。

純烈 リーダー 酒井一圭さん
「純烈を続けていくというストーリーと、純烈を続けていけないストーリー、いま自分はふたつ走っているっていう状況。当然、純烈を続けたいっていう思いはあるんですけど、僕らも収入がないと生きていけなくなっていく。その時に家族を守るっていうことを考えると、できなくなりますよね、必然的に。」


新型コロナウイルスの影響は、イベントを支えるさまざまな企業にも及んでいます。

イベント音響会社 取締役 藤岡正博さん
「こちらが音響機材ですね。現場がないので、全部 倉庫に残った状態です。」


コンサートや舞台の音響システムを請け負う会社です。
ほとんどのイベントが中止になり、売り上げは9割以上減りました。


休ませている15人の社員の給料は、資金を切り崩して何とか払っています。

イベント音響会社 取締役 藤岡正博さん
「本当にこの状態だと、半年はしんどいと思いますね。転職を考えている人もいると思いますし、われわれの業界自体も人が減少していく、大きい損失だと思うんですよ。」

相次ぐ音楽ライブや演劇などの中止。
この状況が5月末まで続けば、市場規模9000億円のおよそ4割が失われるという試算もあります。



エンターテインメントを担う業界団体のトップたちも、かつてない危機感を抱いています。

コンサートプロモーターズ協会 会長 中西健夫さん
「現実的な解釈としては、どんなに早くても6月いっぱいまではできないだろうなって。(経営が)もたない会社の数は半端なく出てくると思うんですよね。」


日本音楽事業者協会 会長 / ホリプロ 社長 堀 義貴さん
「エンターテインメント全体がもう、ちょっときついな。」


コンサートプロモーターズ協会 会長 中西健夫さん
「本当に産業として、膨大なジャンルの方々が関わっているんで、そのことまで含めると、どうしていいか分からないぐらいの広い範囲で、今やれないことが増えているということです。」


相次ぐイベントの中止によって、文化そのものが廃れかねないという懸念も広がっています。

その一つが、オーケストラです。
50年近い歴史を持つ、新日本フィルハーモニー交響楽団。


このホールで毎月公演してきましたが、2月末から一度も行っていません。
この状況が続けば、楽団を解散せざるを得ないといいます。

新日本フィルハーモニー交響楽団 専務理事 林 豊さん
「(公演する)場すらなくなるということですから、消滅するという話ですよね。そういった文化がなくなる、文化もなくなるということですよね。」



演奏者たちも、これまで経験したことのない事態に追い込まれています。
パーカッショニストの石橋知佳さん。これまでのように練習ができなくなりました。

パーカッショニスト 石橋知佳さん
「集まっちゃいけない、人と接する機会を減らさなきゃいけないので。だけどオーケストラって たくさんの人数で、真逆なんですよね、今の状況と。」


オーケストラは楽器が奏でるハーモニーを大切にするため、演奏者たちが集まって練習を行います。しかし、感染のリスクがあるため、それができないのです。

自宅での練習を余儀なくされている石橋さん。ほかの演奏者と息を合わせることができず、技術が落ちないか不安を抱えています。


パーカッショニスト 石橋知佳さん
「ちゃんと復帰できるかどうかとか、そういった悩みとか かなり強くあります。考えるだけで胸が押しつぶされるような状況なので、自分たちとしては技術が落ちないように待つしかない状況。」

1人で練習せざるを得なくなった演奏者たち。それぞれが自分の演奏を撮影し、1本の動画に編集。インターネットで配信しました。


オーケストラの文化が失われかねないことを知ってほしい。
演奏者たちの思いです。

イベント中止の波紋。
どうすればよいのでしょうか。


武田:ステージであれほど輝いていた人たちが、今、笑顔を失っている現状に衝撃を受けました。今夜は劇作家の平田オリザさんに中継で伺います。平田さんご自身の劇団も公演が中止に追い込まれたということですけれども、当事者として、今の現状をどう受け止めていらっしゃいますか。

ゲスト 平田オリザさん(劇作家)

平田さん:演劇を始めて35年たつんですが、初めての経験ですね。私たちの劇団も3月のフランス公演を皮切りに、もう7会場ほど公演中止になりました。演劇は最低でも1か月、2か月稽古しなければならないので、準備期間も含めてのことなので。私が聞いている範囲では、10月ぐらいまで公演中止が決まった劇団もあります。1~2週間とか1か月我慢しろという話でもない。半年公演がなくなってしまうということですね。

武田:経済的な打撃だけではなくて、文化がなくなってしまうと訴える声もありましたね。本当にそういうふうになってしまうんでしょうか。

平田さん:経済と文化は連動していまして、今回、小規模の劇団なんかですと、借金を300万とか500万 全部を劇団主宰者が負わなきゃいけない。演劇をやめる人も出てくるでしょうし、先ほどVTRにあったスタッフの方なんかでやめる方も出てくると。私たちは長い文化の営みの中で、連続性を持ってやっているわけですね。例えば、カラオケでストレスを解消するにしても、そのカラオケは何かの楽器で演奏されて、それが楽譜によって記録されて、長い営みの中で大衆文化もあるので。最終的に社会全体の文化がやせ細っていってしまうということなんですね。

武田:みんながその文化の恩恵を受けている、それが途絶える危機にあると。

平田さん:気が付かないうちに、文化って非常に広い範囲なんですよね。

栗原:今回分かった中止や延期となったイベントの数、8万1000件。これは1か月前に集計したものなので、実際はもっとはるかに多い数になっているとみられています。影響が及んでいるのは音楽や演劇だけではありません。例えば、来場者70万人を超える漫画やアニメ文化の祭典、コミックマーケットも中止になりました。また、地域で受け継がれてきました、伝統文化、京都の祇園祭のハイライトとなる山鉾巡行や青森のねぶた祭も中止になっているんです。さらに、イベントが中止されたことで、周辺のホテルや飲食店などへの打撃も大きく、その経済的な損失は計り知れない状況になっています。

武田:もう一方、ウェブメディアの編集長を務め、ベンチャー企業の経営もされている合田文さんにもコメンテーターとして加わっていただきます。合田さんは、このイベント自粛によって、経済的にも文化的にも今、危機に陥っている現状をどうご覧になりました?

ゲスト 合田 文さん(WEBメディア「パレットーク」 編集長)

合田さん:演劇や音楽って、作品を楽しむだけじゃないんじゃないかなと私は思っていて。同じ思いを持った人たちが気持ちを共有し合うようなものだと思うんです。ライブも一体感があったりだとか、そういったイベントだけでなくて、例えば、ジェンダー平等を掲げる「国際女性デー」のイベントであったり、性的マイノリティーの人たちがもっと自分らしく生きられる社会を掲げる「東京レインボープライド」なんかも、オフラインでは中止せざるを得なくなってしまったんですね。そうなると、そういったイベントで語り合ったりだとか、エンパワーメント(湧活)し合ったりという機会を失う人も多くて、経済的だけではなく精神的に傷ついてしまったり、孤独感を感じてしまう人も多かったりするんじゃないかなと思っています。

武田:こうした現状に、国はどんな支援を考えているんでしょうか。

栗原:国が取りまとめている主な支援がこちらになります。感染対策のために「文化施設にサーモグラフィーを設置する費用」や「中止になった公演をインターネットで動画配信をする費用」などの助成を行うことにしています。しかし、文化活動に関わる人たちの生活を支えることに特化した策というのは、今のところ用意されていないんです。個人や中小企業向けの給付金などで対応する形になっています。


では、ヨーロッパはどういう状況なのか。ヨーロッパでは各国、アーティストの生活を支えるためのさまざまな支援策が打ち出されています。イギリスでは最大で34万円。フランス最大30万円。ドイツでは、一部の州で すでに24万円を支給しているんですね。


平田さん、こうして比較してみますと、ヨーロッパでは手厚い支援が行われているように感じるんですけれども、この違いはどんなところにあるのだと思いますか。

平田さん:もともと日本の文化予算は先進国平均の4分の1。先進国で最もGDP比では低いと言われていて、もともとが少ないんですけれども。ヨーロッパでは劇場とか音楽ホールというのは教会に準ずるような、人々の社会生活を支える、社会的なインフラの一つとして考えられています。あるいは、人々がそこで集まって議論する、民主主義を支える場としても意識されているんですね。それから、アーティスト個人で言いますと、例えば、フランスは「アンテルミタン」という保障制度があって、ふだんから年間900時間ぐらい働くと、残り働いていない月でも最低所得保障が20万円ほどあります。これはふだんからあるので、こういうことになってもあんまり慌てないで済むんです。アーティスト、才能のある人が、経済的な理由でほかのジャンルに行かれることは国益を損ねるという、社会的なコンセンサスがあるというのが前提になっていますね。

武田:本当に苦しんでいる方がたくさんいらっしゃる中で、どうしていくかということなんですけれども、合田さんはどう考えますか。

合田さん:SNSでもかなり話題になったんですけれども、「クラウドファンディング」、民間から基金を集めてミニシアターを守ろうという基金があったんですけれども、本当に数日で1億円ぐらい集まって、国内最速記録だったそうで。自分たちが応援している企業に民間からお金を集めるのはすばらしいと思いつつも、こういった自粛の体制をどう整えていくかというのは、民間ではなく、あくまで国でやってほしいなと思っています。

武田:このイベント中止の波紋、危機をどう乗り越えていけばいいのか。現場でも模索が始まっています。

“イベント中止”文化は生き残れるのか
ライブを活動の中心に据えてきた、BiSH(ビッシュ)です。
新型コロナウイルスの影響でライブを中止しています。
BiSHが所属する音楽事務所です。

「換気して。」

感染が収束したとき、いち早くライブが再開できるよう、アイドルたちが練習に取り組んでいます。感染を防ぐため、歌は歌いません。振り付けの練習を何度も繰り返します。

豆柴の大群 ハナエモンスターさん
「パフォーマンスでお客さんに元気になってほしいというのもあるので、そのためにも私たちは、今こうやって練習をしています。」

BiSH セントチヒロ・チッチさん
「収束して、またライブができたときは、それまでの思いを全部ぶつけるしかない。(コロナを)ぶっとばす気持ちでやります。私たちは変わっていないんで。」

この音楽事務所の代表、渡辺淳之介さんです。
ライブの再開に向けて、感染リスクを徹底的に抑える方法を考えています。


WACK 代表 渡辺淳之介さん
「(いつ再開できるか)分からないから、準備していないと どうしようもない。メンバーをアクリル板に入れた中で、マスクしたり消毒したり。2000人規模のところを30人くらいならいけるんじゃないか。状況が落ち着いてきた段階では、こういうこともできるのかもしれない。」


渡辺さんは、これを足がかりに、以前のようなライブに戻していきたいと考えています。

WACK 代表 渡辺淳之介さん
「やっぱり絶やせない、絶やしちゃいけないと思っているので、そこは採算が取れまいが何しようが、やっぱり続けていく姿勢を見せることが希望になっていくと考えている。」


がんの手術で声帯を摘出した、音楽プロデューサーのつんく♂さんです。
今、新しいイベントの形を作ろうと模索しています。

6年前から母校・近畿大学の入学式のプロデュースを任されてきた、つんく♂さん。コンサートさながらの派手な演出で新入生たちを楽しませてきました。


しかし、ことしは会場に人を集めることができません。
そこで、つんく♂さんはインターネットで8000人の新入生に向けて、入学式を生配信することにしました。さらに入学式の後、トーク番組を配信。つんく♂さんと近畿大学OBのお笑い芸人が、SNSに寄せられた新入生たちの声を紹介しました。

“おうちで入学式”
“さすが近大 やることがちゃうわー”
“ある意味 特別な入学式やった”

お笑いコンビ 霜降り明星
「『今日出会うはずやった友人がおったのにな』『早く大学生活をおう歌したい』」

音楽プロデューサー つんく♂さん
「出会うべき人はいつか出会う!」

新入生がそれぞれの思いを自由に発信できる、これまでにない入学式になりました。

全国で相次ぐイベントの中止。
つんく♂さんは“アイデアを出せば できることはまだたくさんある”と考えています。

音楽プロデューサー つんく♂さん
「自粛の要請という枠組みの中で、どう判断していくか。なんでもかんでもストップするのではなく、例えば現場に人が来られなくても、楽しめるアイデアも並行して考えていくべきだと思います。このような状況でも我々クリエーターはもの作りを止めてはいけません。」



栗原:新しいイベントの形としては、こうしたものも今あるんです。


今、音楽業界では無観客のライブをネットで有料配信する動きが広がっているんです。あるバンドがライブを中止したかわりに有料配信をしたところ、5000人以上がお金を払って視聴しました。もともと予定していたライブよりも8倍集客ができて、予想以上の結果になったということなんです。ネットを活用した新しいビジネスモデルの誕生が期待されています。

武田:平田さんは、こうしたアイデアいかがですか。

平田さん:映像化を嫌う演出家の方もいらっしゃるんですけれども、私は、あんまりアレルギーがないほうで。実は、うちの5月の北米ツアーのニューヨーク公演も中止になってしまったんですけど、プロモーターの方が私の過去の作品に英語の字幕をつけて世界に向けて発信をしてくださったりしていて。今のバンドのように、やっぱりインターネットを通じてのほうが広がりますのでね。チャンスでもあると思うんです。映像配信というと、ニューヨークの「メトロポリタン・オペラ」が非常に力を入れていて、ライブビューイングもやっていて、非常にクオリティーが高いんですね。ただアンケート調査を取ると、9割の人が「本物が見たくなった」というふうに答えるんですね。ですから、私たちステージに生きる人間としては、最終的に、いろんなネットとかを駆使しながら、やっぱりこのウイルスが収束したら本物を見に行きたいよねって思わせるようなコンテンツを作るというのが、私たちのやらなきゃいけないことだと思っています。

武田:こうした現状を知って、何かできないかと思うファンも多いと思うんですけれども、私たちにできる事ってないんでしょうか。

栗原:中止になったコミケですけれども、今回、販売される本の印刷会社が窮地に陥りました。そこで、ファンたちが始めたのが「エアコミケ」というバーチャルなイベントなんです。会場で売られる予定だった本をネットで買おうと呼びかけているんです。


ふだん文化や芸術を楽しんでいる人たちが支えようということも大切かと思うんですけれども、合田さん、私たちにできる支援はどんな形があると思いますか。

合田さん:バーチャルというのもあると思うんですけど、コロナの影響で食品の買い占めとかがあったじゃないですか。もしも余裕のある方がいらっしゃったら、1~2週間後とか直近のことじゃなくて、コロナが終わった後の先の楽しみに投資するような形のお金を払っていく。そして、企業もその受け皿を作っていけたらいいんじゃないかなと思っています。

武田:いつ再開するか分からないけれども、今お金を払える仕組みを作るということですね。平田さん、同じ空間で感動を共有する体験が今できなくなっていますけれども、こうした中で私たちが心に留めておくべきことってどんなことでしょうか。

平田さん:もちろん命は大切ですよね。それから例えば、お金とか、なくてはいけないものというのは議論がしやすいと思う。だから10万円給付とか30万円給付という話になるんですけど、文化というのは人々それぞれ大事にするものが違うので、音楽が本当に大事な人もいれば、演劇で救われた経験がある人もいれば、スポーツが生きがいの人もいれば、何か映画を見た後に友達といいお酒を飲むのが大好きという人もいると思うんですね。一人一人違うから、その違う楽しみを理解する、相互理解する、寛容になるということがとても大事だと思うんですね。実は、この他者理解、異なる文化とか異なる価値観を持った人の気持ちを理解するのも芸術の役割なので、そういう皆さんが今、ストレスがたまっていると思う。ぜひ私たちが、それを早く届けたいというのが本当に一番の願いです。

武田:私も本当にそういうふうに思っています。命も大事で経済も大事なんですが、私たちの心を救ってくれるようなさまざまな表現も絶やしてはいけないなというふうに思います。きょうはどうもありがとうございました。
最後に、演出家の宮本亞門さんが作った この動画をご覧ください。



俳優・アーティストなど600人が歌った「上を向いて歩こう」。
社会に閉塞感が広がる中、少しでも前向きになって欲しいと企画された。
感動や勇気を与えてくれる“音楽の力”が必要。
宮本さんは考えた。

演出家 宮本亞門さん
「一番危険なのは、芸術家、工芸家たち、あらゆる文化に関わる人たちが自分で自分を否定してしまうことです。踏ん張っていきたい。なぜなら、その後 最も必要になるのが、演劇・アート・音楽・文化だと思うからです。今とても試されている、次の生き方を。文化は最も必要なものだと思っています。」





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